親子就活とは?実施される背景と企業はどう対応すべきなのか

採用活動は親へのフォローも必要になる

親子就活とは学生の就職活動に保護者が積極的に関与・干渉して、親子で協力して内定獲得を目指すことを意味する言葉です。

ネオキャリアの調査によると、子の就職活動に対する親の考え方として「子どもに就職してほしい企業とそうでない企業がある」に「あてはまる・ややあてはまる」と答えた親は56.0%「子どもが内定を貰った企業でも、企業によっては子どもに内定辞退を促す」に「あてはまる・ややあてはまる」と答えた親は22.0%だったようです。

子供に就職してほしい企業とそうでない企業がある
出典元『ネオキャリア』就職活動における「企業」と「親」に関する調査

同調査では、「内定を出した新卒性が親の意向によって内定辞退を申し出てきたことがある」に「あてはまる・ややあてはまる」と答えた企業は51.7%でした。

昨今の状況についての企業の考え方
出典元『ネオキャリア』就職活動における「企業」と「親」に関する調査

企業に伝えられた内定辞退の理由には建前が含まれている可能性がありますが、実際に内定を促す場合があると答えた親が5人に1人以上いることから、内定辞退を防止するためには親へのフォローが必要になってきています。

今回は親子就活に対して企業はどう対応すべきかについて説明します。

親子就活が行われるようになった背景

親子就活が行われるようになった背景として、学生が就活費用の援助や就職活動の相談を親に対して行っていることが挙げられるでしょう。

エリアにこだわらず、全国の企業を視野に入れて就職活動を行った場合、説明会や選考にかかる交通費などの費用は少なくありません。そういった面では親に頼らざるを得ない場面もあるでしょう。

厚生労働省によれば、20代の死因の半数は自殺で、その動機や原因の約4割が仕事関連の悩みとうつ病によるものであると分かっています。

仕事関連の悩み等を原因・動機とする自殺者の割合
出典元『厚生労働省』平成26年版厚生労働白書

同じく厚生労働省による調査では「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者」の割合は55.7%と表れています。

仕事や職業生活に関するストレスの有無及び内容別労働者割合
出展元『厚生労働省』平成27年 労働安全衛生調査

最近の働き方改革にも大きな影響を与えている過労による広告代理店新入社員の自殺や企業における各種のハラスメントなど、就職した企業で子供が壊れてしまうことは現実にあり得る恐れとなっています。このようなことを踏まえると親が子供の就活に過干渉になってしまうのも否定しきれません。

企業側の親子就活への対策方法について

選考結果へのクレームのような過干渉に対しては、親であっても就活生本人であっても対応に差異をもうけないことが大切です。そうでなければ、誰が連絡したかで与える情報量に差が出来てしまい、採用選考に際して不平等感・不信感が募ってしまうからです。

内定辞退を防止するために「オヤカク」という対策があります。「オヤカク」とは、企業が内定を出した学生に対して「自社への入社を親は承諾しているか」を確認する、または企業が内定学生の親に直接連絡を取って説明・確認する行為のことです。

「オヤカク」の具体的な活動は、会社情報資料の送付、採用ホームページ内の親向けページの作成、親向けの内定理由通知書と会社案内など資料の送付、挨拶状や電話による連絡、経営者・採用担当者による家庭訪問などが挙げられます。実際に、贈呈品を持って、家庭訪問を行う企業もあり、その内容は多岐にわたります。

「オヤカク」の目的は“親の確認を取る”ことです。親としては、事業内容や福利厚生はもちろん、働き方や会社の理念、社会貢献活動、会社の経済状況などあらゆる側面で把握しておきたいことです。企業説明会などで実際に働いている社員の紹介などを行うことによっても、理解が深まりやすくなります。

内定通知を出した後は“親に入社を承諾してもらう”のではなく、“親に子供が入社する会社を理解してもらう”ということが大切です。会社に対する理解が深まれば、入社の承諾はもちろん、入社後のトラブルも発生しにくくなります。

親の過度な干渉と内定辞退を防止するためのオヤカクについては分けて考えるべき

親子就活が近年増加しており、社会的な背景や親の干渉による内定辞退率を見ると、人手不足が続く企業にとっては無視できない課題となっています。

採用活動を行う企業側は、親子就活が一般的になりつつある現状に対応して、選考結果へのクレームのような明らかに過度な干渉と内定辞退を防止するためのオヤカクについては分けて考える必要があるでしょう。

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