ポーターとローラーの期待理論とブルームの期待理論の違いとは?

ポーターとローラーの期待理論によるモチベーションマネジメントとは?

ポーターとローラーの期待理論とは、社員のモチベーションを高めるためには「仕事に対する報酬」と「企業の目的と社員の目的の一体化」が重要であるとする理論です。

ポーターとローラーの期待理論は、動機付けやモチベーションに関する理論の先駆けである、ブルームの期待理論を改良・発展させた理論です。ブルームの期待理論は、モチベーションが発生する過程を数式によって表す理論ですが、数式を構成する要素に不明確な要素が入っていたため、理論の実践には不安定性がありました。

ブルームの期待理論とは、モチベーションがどのように生じるのかについて着目したモチベーション理論です。ブルームの期待理論は、以降のモチベーション理論の基礎となっている、組織のモチベーションマネジメントを行う上で是非知っておきたい理論です。今回は、ブルームの期待理論における計算式の具体例や、企業での活用方法についてご紹介し...

ポーターとローラーの期待理論では、ブルームの期待理論で不明確だった部分をさらに掘り下げて、期待の変化要因が再定義されています。

今回の記事では、ポーターとローラーの期待理論の概要を説明した上で、ブルームの期待理論との違いやマネジメントでの活用方法をご紹介します。

ポーターとローラーの期待理論とは?ブルームの期待理論との違いやマネジメントでの活用方法について

ポーターとローラーの期待理論の概要とは?

ポーターとローラーの期待理論は、1968年にレイマン・ポーター(Lyman W. Porter)とエドワード・ローラー三世(Edward E. Lawler, Ⅲ)によって、彼らの著書である「Managerial Attitudes and Performance(管理職の態度と業績)」の中で発表されました。

ポーターとローラーの期待理論の概要を簡単に説明すると、頑張った結果得られた報酬にどれだけ満足したかが、以降の行動を起こすモチベーション(誘意性と期待)に影響するという理論です。

ポーターとローラーの期待理論の特徴としては、報酬とモチベーションの関係がループしている点が挙げられます。頑張った結果に対する報酬に満足した人は次の仕事に対するモチベーションが上がり、高いモチベーションで取り組んだ仕事は良い結果を生んで満足する報酬が得られるといったように、好循環を生むのです。

ポーターとローラーの期待理論の元となったブルームの期待理論とは?

ブルームの期待理論とは、モチベーションがどのように生じるのかについて着目したモチベーション理論です。

ブルームの期待論では、2つの「期待」を連鎖的に成立させることで、動機付けが実現出来るとしています。期待の連鎖を成立させるためには、以下の3つを設定する必要があります。

  • 魅力ある成果の設定(Reward)
  • 成果を実現するのに必要充分な目標値の設定(Goal)
  • 目標値を実現するのに必要充分な戦略展開(Efforts)

期待の連鎖を具体的に表すと、以下のようになります。

  • 目標(Goal)を実現すれば好ましい成果(Reward)が期待できる
  • 戦略(Efforts)によって目標(Goal)の実現が期待できる

ブルームの期待理論との違いとは?

ブルームの期待理論では、モチベーションを数値化するために、道具性期待理論として以下の公式を表しています。

【F=E×Σ(V×I)】(F:行動への力 E:期待 V:第2次結果の誘意性 I:道具性)

ブルームの期待理論を分かりやすく表記すると、以下のようになります。

【モチベーション=期待×誘意性×道具性】

ブルームの期待理論で問題視されたのは、得られる報酬に対する「誘意性」が必ずしも明確でない点です。ポーター氏とローラー氏は、報酬の大小と魅力の度合いによってモチベーションが変化すると考え、報酬を得られる可能性や欲求の強さにもとづいた期待値理論を提唱したのです。

ポーターとローラーの期待理論をマネジメントに活用する方法とは?

ポーターとローラーの期待理論を社員のモチベーションマネジメントに活用するためには、努力に対する報酬の魅力だけでなく、努力に対する評価の正当性が重要になります。

ポーターとローラーの期待理論によるモチベーションアップは、以下のようなサイクルで起こります。

  • 明瞭な人事評価制度を公開することで、昇給や昇格の条件が明確になる(外発的要因)
  • 条件通りの働きをみせることで、期待通りの対価を得られる(達成と報酬の強化)
  • 達成感を得られるとともに、公正に評価される(満足)
  • 努力→達成→満足の安定によって、より努力しやすくなる(報酬の価値)

人事評価制度の整備は、ポーターとローラーの期待理論を実践する上で重要な要素です。どれだけ魅力的な報酬を提示されたとしても、努力の結果が正当に評価されるという信頼が無ければ、モチベーションの向上にはつながりません。

ポーターとローラーの期待理論における「報酬」は、昇給や賞与といった金銭的なものだけでなく、個人の価値観にもとづいた「称賛」や「承認」も含まれます。称賛や承認などの非金銭的な報酬によるモチベーションアップは「エンハンシング効果」と呼ばれ、社員の動機づけを行う上で非常に重要とされています。

エンハンシング効果とは、外発的動機付けによって内発的動機付けが高まり、モチベーションが上がる効果を意味する言葉です。エンハンシング効果を活用すると、社員の内発的動機付けによるモチベーションアップ効果が期待できます。今回は、外発的動機付けから内発的動機付けを発生させる「エンハンシング効果」について詳しくご紹介します。

期待理論にもとづくモチベーションマネジメントでは、適切な目標と報酬の設定が重要になる!

ポーターとローラーの期待理論とは、社員のモチベーションを高めるためには「仕事に対する報酬」と「企業の目的と社員の目的の一体化」が重要であるとする理論です。

ポーターとローラーの期待理論にもとづいたモチベーションマネジメントを行うためには、「達成したい目標が実現可能か」「目標を達成した場合の報酬は適切か」の2点が重要になります。

明らかに達成できない目標の場合は、どんなに報酬が高くともモチベーションにつながりません。逆にすぐに達成できる目標の場合は、魅力という報酬がないためモチベーションにつながりません。

ポーターとローラーの期待理論をモチベーションマネジメントに活用する際には、現実的に実現可能な目標を設定した上で、必要な努力に応じた適切な報酬を用意するようにしましょう。

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