採用における学歴制限や学歴フィルターが有効ではない2つの理由とは

採用における学歴制限は業務遂行力に見合っているか検証が必要

採用における学歴制限は、企業側が学歴(学校名や学部・専攻など)によって応募や選考で制限をかけることで、業務の特性上、高い地頭力が求められる業種ほど、学歴制限を行う傾向があると推察されます。

dodaの調査「学歴は中途採用で求められる?−学歴と転職の関係−」によると、学歴が最も求められている業種は総合商社で、金融/保険の中でも特に銀行、教育、コンサルティング/リサーチが続いているのです。

大卒以上を求める求人割合
出典元『doda』学歴は中途採用で求められる?−学歴と転職の関係−

アイデム「2018年卒 新卒採用に関する企業調査」によると、学部・専攻に対して学歴フィルターをかけている企業は、43.8%にも上ります。学歴・学校名に対しては、37.6%の企業が学歴フィルターをかけており、上記のような限られた業種以外でも頻繁に実施されていることが分かります。

フィルターの有無
出典元『株式会社アイデム 人と仕事研究所』2018年卒 新卒採用に関する企業調査


出典元『株式会社アイデム 人と仕事研究所』2018年卒 新卒採用に関する企業調査

母集団形成に苦戦する企業が増加するいま、採用における学歴制限が本当に有効なのか、自社の求める業務遂行力を見極めるのに見合っているかどうか、検証が必要になっているのです。

採用における学歴制限にはデメリットが潜む

採用における学歴制限は、高学歴(いわゆる偏差値の高い大学を出ている)人ほど優秀な人材だったという“成功体験”を持つ上司や役員がいる場合には、特に重宝されるようです。理由は簡単、合否判定の承認を得やすいため。しかし、従来長らく活用されてきた、採用における学歴制限には、デメリットも存在します。

学歴は高くても協調性に欠けていたり、自ら課題を見つけて取り組む経験が少ないなど、いわゆる偏差値重視の受験勉強に没頭したことに起因する人物特性に対し、懸念が上がっているのです。学歴制限で排除された母集団の中に、自社が求める人材が含まれていた場合は、自動的に逃してしまうというリスクがあります。

自社の採用における学歴制限を見直すべきためには、従来、採用において多くの企業で学歴制限が設けられてきた背景や、学歴制限が有効ではなくなってきた理由を知ることが重要です。

採用における学歴制限、昨今の事情

採用における学歴制限は、従来は有効性のため実施されていましたが、昨今は事情が異なってきています。多くの企業が、採用活動におけるマンパワーやコストの増加に悩んでおり、採用業務の負荷軽減を目的として学歴制限を実施しているという側面もあるようです。

「就職白書2019」によると、新卒採用における企業の最大の課題は、採用に係るマンパワーで、76.4%もの企業が課題だと回答しています。採用コストについても、52.1%の企業が悩んでおり、どちらも前年よりポイントが上昇してます。採用業務の負荷軽減は、人事担当者にとって待ったなしの急務なのです。

新卒採用における課題
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

採用における学歴制限が設けられてきた社会的背景

学歴制限が設けられてきた社会的背景として挙げられるのが、終身雇用です。入社後、長期的な視点で人材育成できる終身雇用制度のもとでは、伸びしろが高いと思われる高学歴な応募者が重宝されました。

高学歴な人ほど伸びしろが高いと判断できたもう1つの理由が、この時代の業務内容です。マニュアルワークなど、いわゆる定型化された業務をミスなく大量にかつ効率的に遂行できる能力が求められていました。

現在では、定型業務はAIやロボットに任せて、人間は別の仕事をしようという機運が高まりつつあります。AIに仕事を奪われるのではないかという不安については別の議論が必要ですが、企業が求める人材要件が変わりつつあるなか、採用における学歴制限はその有効性が疑問視されるようになったのです。

採用における学歴制限が有効ではなくなってきた2つの理由

採用における学歴制限が、かつてのように有効ではなくなった理由として、1つ目に挙げられるのが業務の多様化です。

データビジネスが加速し、デジタルディスラプターが台頭するいま、既存業務を従来のやり方で守っているだけでは、企業は生き残れません。多様化する業務に迅速に適応し、付加価値を創造できる人材が重宝される時代となりました。

画一化された受験勉強の結果だけでは、人材の柔軟性や創造性は判断できないため、採用における学歴制限は、絶対的に有効とはいえなくなってきたのです。

2つ目に挙げられるのが、人材の多様化です。女性や外国人、高齢者など多様な人材をうまく活用することで、企業の競争力を向上させる必要がありますが、人材の画一化を招く学歴制限は、逆に組織におけるダイバーシティを阻害し企業の競争力を低下させるという側面があるのです。

採用における学歴制限は、自社の採用要件に合わせて見直しを

採用において、定量化されたわかりやすい情報を用いるのは効率アップに役立ちますが、選考基準として用いる定量情報に学歴が本当に有効なのかは、自社の現状や抱える課題から検証が必要です。

学歴制限は、基礎学力や、努力・忍耐をできる人物であるかの予測に役立つほか、応募者の発言の客観的裏付けとなる判断材料になるというメリットがあります。採用で学歴制限を用いる場合は、自社の採用要件に合わせて内容や基準を見直す必要があるでしょう。

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