誰にでも起こりうるゆでガエル的状況
ゆでガエル理論とは、変化が緩慢な組織において、状況の変化による危機に気づいたときにはもう手遅れになっていることを揶揄した例え話です。科学的に起こりえない寓話であるとされていますが、誰もが陥ってしまいがちなわかりやすい理論であるため、ビジネスシーンで多く語られています。
急激な変化であれば危機感を持って対応出来る場合が多いですが、業績の低下がゆっくり起こった場合などにはその状況に慣れてしまい、状況の抜本的な改善のきっかけがつかめなくなってしまいます。ゆったりとした変化であっても、周囲の環境や市場の要求、社内状況など、様々なシチュエーションの変化を敏感に観察し、余裕を持った対応を行っていくことが重要になります。
では、ゆでガエル的状況はどのような条件のもと発生してしまうのでしょうか。もしゆでガエル理論が当てはまるような状況になってしまった際には、どのように対策を行っていけば良いのでしょうか。
今回はゆでガエル理論が発生するメカニズムと対策例について説明します。
ゆでガエル理論が発生するメカニズムと対策
変化のスピードの速い現代社会では、一度周りの変化に置いてかれてしまえば誰もが簡単にゆでガエルになってしまいます。
ゆでガエル的状況に陥ってしまうの理由はいくつかのパターンに分けることができます。パターンにあった対策を取ることが重要です。
1.過去のやり方に固執する
過去に成功につながったビジネスモデルや昔たくさん売れた商材に固執し、「今は売れなくてもいつか売れるだろう」と根拠もなく信じきって新たな顧客のニーズや本当に求められているビジネスモデルなどを探ることを放棄してしまうのがこのパターンです。
時代は絶えず変化を続けているので、変化を適切に見極め、むしろ自分から変化を生み出していこうとする態度が重要です。人間は過去の栄光にとらわれてしまいがちですが、過去は過去と割り切って現在の状況にベストを尽くしていく態度が必要です。
2.達成の容易なノルマで満足する
組織としても個人としても、容易に達成できてしまう目標を設定し、それを達成できたと満足していては、中々成長することができずにいつまでも同じようなところに留まることになってしまいます。
競争の激しい市場競争に勝ち抜くためのには、達成の難しい目標を設定し、自分や自社の限界に挑戦し続ける姿勢が必要になるでしょう。
3.組織がバラバラである
トップと従業員の温度差が大きい場合や、やる気のある社員とない社員がいる場合などは、状況の変化に気がついて急いで対策を打とうとする取り組みが、危機感のない社員に足を引っ張られ中々うまくいきません。
会社として目指す方向性を全社員で共有し、一丸となってその目標に取り組むことが、成長志向でぬるま湯をよしとしない組織作りを可能にします。
4.風通しが悪い
経営者の意見に反対できないなど、わがままな経営がまかり通ってしまっていては、社員は外部の変化に気づいても意見を発することに躊躇してしまいますし、コミニュケーション不足から、経営者も社内で起こっている変化に気づくことができません。
社内の気づきや発見を、それが一社員のものトップまで届くような風通しの良い会社作りを行うことが変化に強い組織を作ります。
客観的な視点を持ち続けよう
ゆでガエル理論は緩やかな変化であるために発生するものであり、自社の問題だけでなく、市場の動向なども踏まえて問題を客観視し、具体的な行動を起こすことが大切です。
変化を恐れない組織風土や挑戦や変化を歓迎する組織体制を作ることが、中長期的にゆでガエルに陥らないためには必要になるでしょう。