従業員満足度を上げる具体的取り組みとは?5つの要因を理解しよう

従業員満足度と生産性の関係とは

従業員の満足度(Employee Satisfaction、ES)は生産性と直結します。

米ギャラップの調査では、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが解ります。この割合は、米国の31%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだということです。

出典元『日本経済新聞』「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査

ベイン・アンド・カンパニーとプレジデント社が共同で調査した結果「やる気あふれる社員」は「満足している社員」よりも生産力が2倍以上あることがわかりました。「満足していない社員」と比べると、3倍も生産性が高いことがグラフからもわかります。

意欲の度合いによる社員の生産性
出典元『PRESIDENT Online』”3人に1人”の不満社員を奮起させるには

従業員満足度の扱い方とは

従業員満足度を調査する事は大切です。生産性向上のための第一歩と言えるでしょう。

けれど、調べるだけでは改善しません。課題や問題を明らかにして改善策を打ち、変化していく事が重要です。

今回は従業員満足度を改善するために必要な要素と、具体的取り組み例について説明いたします。

給与はどれほど従業員満足度に影響を与えるのか

給与はどの程度、従業員満足度に影響するのでしょうか。

金銭報酬は少ないと不満足を引き起こします。一方で、実は多く与えられたからといって満足するわけではありません。金銭報酬と非金銭報酬に分けて考えることが大切です。

ハーズバーグは衛生要因と動機づけ要因(非衛生要因)に分けて説明しました。衛生要因は離職などに関わり、動機づけ要因は労働生産性などに関わります。

ハーズバーグの二要因理論から見る従業員満足度

衛生要因は、不満足要因とも呼ばれ「これが整備されていないと、従業員は満足感を持てない」という不満足をもたらす要素です。

金銭報酬は不満足要因です。「ある程度あれば充分」であり、一定以上増やしても影響が頭打ちする要因と言えます。

ハーズバーグの二要因理論で大切なことは「不満の解消は満足度を上げない」ということです。給与を挙げた場合に不満は解消されますが、満足するわけではないため、従業員満足度は給与では上がらないのです。

従業員満足度を向上させる5つの要素

従業員の満足度は何によって高まるのでしょうか。以下の5つが代表される影響度の高い因子です。

従業員満足度の調査を行う事で判ることは、現状の従業員の満足度だけではありません。経営面や人事・総務面など企業全体で取り組むべき課題が見えて来るのです。

  1. ビジョンや理念への共感
  2. マネジメントへの納得
  3. 仕事への満足度
  4. 職場環境の快適さ
  5. 福利厚生の充実

1.ビジョンへや理念への共感

ビジョンの共有はモチベーションの基礎になります。ビジョンに共感しているなら、会社の一員であることに誇りが持てます。

そもそも自社のビジョンや理念が説明できる社員はどれくらいいるでしょうか。従業員ひとりひとりに浸透するように、経営のトップやチームリーダーが発信していく必要があります。

2.マネジメントへの納得

上司のマネジメントに対してどう感じているかは大切です。相談しやすい関係性が作れているか、成長する機会が与えられているか、評価は適切なのかなどが挙げられます。

上司に認められているという承認感と、達成した事に対する報奨制度も有効です。

3.仕事への満足度

仕事に対してやりがいを感じられているか、適切な負荷が保たれているか、自身が貢献できていると感じているかが直接かかわってきます。

仕事を通じて成長を感じることが出来ているかも大切です。教育制度の充実も成長可能性を示します。

4.人間関係の快適さ

目標が共有され、皆で同じ方向を向いて仕事ができているか、良好なチームワークがあるか、他部署との連携もとれているか、職場内のルールに不満がないか、不満が口にできる環境であるか等、人間関係の快適さは職場満足の大きな理由になります。

コミュニケーションが機能している事が必要です。

5.福利厚生の充実

休暇制度や福利厚生サービスの充実は求職者の重要なチェック事項でもあります。福利厚生には設備環境や職場環境への満足度も含まれます。非金銭報酬ですが、金銭換算できる要素を含んでいます。

重要なのは、社員の信頼感や安心感に繋がる内容だという点です。

従業員満足度を上げる改善施策例とは

株式会社ディー・エヌ・エーの人事部を介さない人事異動

DeNAでは本人と移動先の上長の合意があれば、人事の上司の許可なく異動ができる「シェイクハンズ制度」が導入されています。

制度を導入してから、2ヶ月半で20件以上の異動が実現しました。社員にとってキャリアを真剣に考えるきっかけになる制度です。主体性を持って選択し、既に移動先の上司との関係性も出来た上での移動であり、高いモチベーションとコミットを持った異動になることは間違いありません。

ザ・リッツ・カールトンのクレドカードの導入

リッツカールトンではクレドカードを導入しています。経営方針や行動指針を名刺サイズにして従業員に携帯させる取り組みです。社員に企業理念を浸透させることで、ビジョンの共有を図っているといえます。

クレドには社員の自己と会社からの承認・信頼も含まれています。また年4回もの従業員満足度調査を行っています。

株式会社メルカリの福利厚生の充実

メルカリでは妊活のサポートや病児保育費支援・認可外保育園補助など育児にまつわる福利厚生が充実しています。社内に設置されたドリンクの自動販売機が全て無料であったり、エンジニア職へ希望のPCスペックを叶える貸与制度を導入しています。

書籍の購入に対しても「技術書やビジネス書を購入する場合」全額補助がなされます。

従業員が満足するには

株式会社ディー・エヌ・エーの事例には「マネジメントへの納得」や「仕事への満足度」が、リッツカールトンの例は「ビジョンや理念への共感」と「仕事への満足度」への対応が含まれています。株式会社メルカリの取り組みには「職場環境の快適さ」「福利厚生の充実」が充実しています。

これらの具体的事例を見ると従業員の満足度が上がる理由が理屈だけではなく、感覚的にも理解できるのではないでしょうか。

問題設定と解決を繰り返し続けるには

従業員満足度調査を有効活用するためには、問題解決につなげる事が必要です。

自社の従業員はどのような課題や悩みを抱えているのかを明らかにし、それらを解決するための取り組みを行うのです。そして改善されたかどうか、定期的な計測を行い、再度改善していくために課題を再設定することが重要です。

問題解決の繰り返しを続ける上で有効なのは、何を改善しようとしているのかの目的を明確にすることです。なぜなら、取り組みの優先順位をつけることが大切だからです。

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