遠隔での面接方法、第一位は「電話」
2018年、はたらこねっとが発表した調査結果によると、求職者が遠隔面接を受けた際に使われた面接方法の第1位は「電話」(52%)だったことが分かりました。2位のSkype(22%)と比べて、圧倒的に多い割合を占めています。
出典元『派遣/求人情報 はたらこねっと』「遠隔面接」について|みんなの声レポート
遠隔面接を受ける場合に一番便利だと思う方法についての質問でも、上位にランクインしたのは「電話」(37%)と「LINE電話」(22%)。インターネットが発達しさまざまなツールが溢れる現代ですが、電話という伝統ある方法が、意外にも一番人気です。
出典元『派遣/求人情報 はたらこねっと』「遠隔面接」について|みんなの声レポート
面接時期の「一極集中」による機会損失も
就職白書2019の調査によると、面接など選考の時期は3月〜4月に集中しています。面接日時の設定だけでもかなりの工数が取られる、という人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
就職活動中の大学生に話を聞くと「スケジュールが合わずエントリーを見送ったことがある」と口を揃える現状もあり、面接をスムーズに行えない場合には採用における機会損失を招いていることが明らかです。
「ミレニアル世代」と呼ばれる、新卒・中途採用で若手といわれる20代〜30代前半は、インターネットが日常生活に普及した環境で育った世代です。対面でのコミュニケーションにこだわらず、様々な面接手法を取り入れていくことで、「求職者と出会う機会損失」を未然に防ぐことできるのではないでしょうか。
電話面接とは?対面面接との違いについて
電話面接とは、面接地から遠くに住んでいる方向けに電話で面接を実施する面接方法です。対面での面接と比べて大きな違いは、電話を通じた「声だけのコミュニケーション」になることです。まずは、懸念されるデメリットについて見てみましょう。
電話面接で懸念されるデメリットについて
電話面接では、お互いの表情を見ることができないため、多くの場合はお互いに緊張しやすくなるようです。声だけを頼りにコミュニケーションを図ることから、様々なデメリットが生じやすくなります。
- 声が聞き取りにくく、聞き直しが発生しやすい
- 相手が話している途中で、会話を遮ってしまうことがある
- お互いの会話が噛み合っているかの確認が遅れる
- 会話が噛み合っていないにも関わらず気がつくことが難しいため、対話が深まらない
電話面接ならではのメリットとは
電話面接にはメリットも多くあります。
面接地から遠方にいる人とも面接を実施できるため、母集団となり得る対象が広がることは大きなメリットです。その他、時間や費用のコスト削減に繋がる点は、企業・求職者ともにメリットを感じやすい部分でしょう。
- 求職者が移動時間不要となり、面接日程の調整が容易になる
- 面接を早期に実施でき、採用スピードが上がる
- 面接実施のための交通費を削減できる
電話面接を実施する際の注意点について
電話面接では、顔が見えない声だけのコミュニケーションになる分、対面よりも丁寧に相手の言いたいことを聞き出す努力や配慮が必要になります。
せっかくの面接ですからコミュニケーションに齟齬が発生しないよう、下記を注意してみてはいかがでしょうか。
- 声のトーンを明るくして、相手が話しやすい雰囲気を作る
- 相手に見えていなくても、姿勢を正しくして、真摯に対応する
- 「ありがとうございます」「次の話題に移っても問題ないでしょうか?」など、ワンクッションを挟みながら丁寧に会話を進めることで、お互いの会話が噛み合っているかをこまめに確認する
電話面接の実施は「母集団形成」に活用できる
従来の対面面接に加えて電話面接を実施することで、応募可能な人は確実に増えるでしょう。面接地から遠方にいる人だけではなく、現職が忙しく訪問の時間が取りづらい方や、育児・介護などの事情があって暫定的に自宅から外出しにくい方などとも、コンタクトを取りやすくなります。これまでは会えなかった人材と会える機会が増える電話面接は、母集団形成に役立つといえるでしょう。
現在は、インターネットやスマートフォンの普及により、web面接の方が主流になりつつありますが、回線が不安定になることや通信費、ツールの使い方や自宅が映り込むことへの不安や抵抗感など、web面接ならではのデメリットも少なくありません。
電話面接の良いところは、何と言っても「かければ繋がる気軽さ」です。遠隔面接を実施する際に最もハードルが低いのは、実は電話面接なのかもしれません。