短時間でできるチームビルディングの効果とは?
現在、多くの企業で様々なチームビルディングの研修やワークショップが企画されています。チームビルディングにおける研修プログラムやイベントは、「対話」「ゲーム」「アクティビティ」「スポーツ」などを組み合わせて行われます。
中でも取り入れやすいものとして「ゲーム」や「アクティビティ」があります。取り組みに夢中になるうちに、自然とメンバー同士のコミュニケーションが生まれていきます。
組織の状況によっては研修プログラムやイベントなどの長い時間を確保するのが難しいこともあります。その場合は短い時間で出来るゲームやアクティビティを活用しましょう。
短時間できるゲームやアクティビティは、アイスブレイクなどの効果もあります。チーム結成時や新メンバーの加入時のオリエンテーションの一つとして組み込むのも効果的です。
今回の記事では、1時間以内の短時間で出来るチームビルディングの取り組みについて具体的に紹介します。
短時間のゲームを取り入れるメリット・デメリットとは
チームビルディングの成功においてもっとも重要な要素はメンバーの主体性です。メンバーに「時間がもったいない」「強制的にさせられている」と感じさせてしまわないように、取り組みの目的や、解決したいチームの問題を事前に共有しておくと良いでしょう。
参加者にしっかりと実施した効果を気づかせるように、行う前と後にどのような変化があったかについて簡単に振り返りを行うことも効果的です。
短時間のゲームを用いるメリットとは
- 事前準備が簡単で気軽に取り入れやすい
- コミュニケーションが円滑になる
- 強制参加であっても短時間なのでストレスになりにくい
- 体を動かすアクティビティがメンバーのリフレッシュになる
- メンバーの普段とは違う一面を垣間見れ、親近感や相互理解が深まる
短時間のゲームを用いるデメリットとは
- 実施できるゲームの種類が少ない
- 繰り返し実施することができないため、PDCAを回せずやりっぱなしになりがち
- 「チームビルディングとして実施している」という目的を理解していないと、楽しかった」「勝った・負けた」という感想だけになってしまう
短時間で取り組めるゲーム・アクティビティ5選!
チームビルディングとして、短時間で取り組める代表的なゲームを5つ紹介します。ゲームの内容や準備すべきもの、実施時間や身につくスキルについて説明します。
- アゲアゲ・ブレインストーミング
- 自分史の共有
- ビブリオバトル
- 共通点探しゲーム
- ブラインドスクエア
1.アゲアゲ・ブレインストーミング
日本では「ブレスト」と呼ばれることが多いブレインストーミングは、他人同士の頭脳(Brain)を嵐(Storm)のようにかき混ぜるという意味のアイデア発想法です。ブレインストーミングをゲームとして利用し、思い切ったアイデアの飛躍や結合を楽しみましょう。メンバーのアイデアを肯定することが大前提なので、心理的安全性が高く自由に発言できる場を意識的に作り出すことができます。
アゲアゲ・ブレインストーミングでは、チームでブレーンストーミングのテーマを決めます。1人がアイデアを出し、他の人が「いいね~、それなら・・」で続く内容を語ります。続いて他の人も「それいいね~、だったら・・」とアイデアを否定せずにアゲ続けることで途方もないアイデアへと昇華させていきます。
準備物:なし
対象人数:1チーム4〜5名
実施時間:20分
身につくスキル:主体性・創造力・傾聴力・柔軟性など
2.自分史の共有
自分史とは、自分がどんな人生を歩んできたかの記録です。就職活動や転職活動だけでなく、自分のキャリアプランへの再確認などにも用いられるものです。
メンバー同士が相互理解を深めることができるだけでなく、仕事を選んだ動機の共通点を見出すことによってチームワークの強化にもつながります。今後の仕事において、メンバー間での意識が大きく変わる可能性を持つゲームです。
自分史を共有することで、お互いについて知ることでメンバーの結束を深める取り組みです。チームメンバーが1人ずつ、この仕事を選んだ理由について語ります。制限時間は5分間。語り終えたら他のメンバーが一言ずつコメントします。
準備物:なし
対象人数:何人でも
実施時間:1人につき5分
身につくスキル:主体性・働きかけ力・発信力・傾聴力・規律性など
3.ビブリオバトル
ビブリオバトルは、京都大学から広まった読書会・勉強会の一種で、知的書評合戦とも呼ばれています。発表者が面白いと思った本を順番に紹介し、発表内容に関するディスカッションを経た上で、どの本が一番読みたくなったのかを投票して順位を決めるものです。
メンバーの趣味や価値観を知ることができ、相互理解が進みます。メンバーのプレゼンに共感できるポイントがあれば、より親近感を抱くなど協力関係を築きやすくなります。また、勝つのために発表の準備をすることで、プレゼン能力が鍛えられます。
やり方としては、1人5分で自分の好きな本を紹介します。全ての参加者のプレゼンが終わったあと、1番読みたくなった本に投票し、一番投票された本を決定します。本の流れをまとめるだけでなく、自分の感想やおすすめポイントを入れることが重要です。
準備物:紹介したい本
対象人数:3〜8名
実施時間:20〜60分
身につくスキル:主体性・働きかけ力・創造力・発信力など
4.共通点探しゲーム
共通点探しゲームは、2人1組になり、5分間で相手との共通点を多く探すゲームです。見つけた共通点が多いチームが勝利となります。しかし「私たちは生きている」といった誰にでも当てはまる共通点はカウントされません。勝利したチームは、参加者全体にコツを共有して、ペアを入れ替えて繰り返しゲームを行います。
共通点を探すために色々な質問をして相手のことをよく知ることができます。人は相手に自分との共通点を見つけると親近感を抱きますので、メンバーが健全な協力関係・信頼関係を築くための一助となります。相手との共通点を探すスキルは、実際の営業や商談などにも活用することができるビジネススキルです。
共通点探しゲームは1度に繰り返し行う点もポイントです。成功例からコツを学び、自分のやり方を改善していくことで、より効果的な方法が生まれていきます。
準備物:なし
対象人数:4名以上〜
実施時間:30分
身につくスキル:主体性・課題発見力・傾聴力・柔軟性など
5.ブラインドスクエア
ブラインドスクエアは、チームリーダー以外のメンバーは目隠しをしながら、全員が1つの長いロープを持ったまま、リーダーの指示のもとで指定された形を作るゲームです。
リーダー以外の人にとっては、自分や周りの状況が見えず耳で指示を聞くしかない状況です。「指定された形を作る」というチームの目標を達成するために、自分の役割は何か、どう行動すべきかなど、チームの一員として行動することの大切さを実感することができます。リーダーは、混乱するチームが目標を達成するためにどのように指示をすべきか、その難しさを身を以て体験することができます。
準備物:アイマスク・ロープ
対象人数:1チーム5〜6名
実施時間:10分程度
身につくスキル:主体性・働きかけ力・課題発見力・傾聴力・状況把握力など
短時間で効果的なチームビルディングを実現しよう!
短時間で終わるゲームやアクティビティは、アイスブレイク的な役割を担うものとお互いのことをよく知るきっかけにできるものが多いです。
他の業務との兼ね合いが付きやすく、気軽に取り組みやすい点からも、チーム結成初期のチームビルディングに適しています。しかし、PDCAを回す時間がないためやりっぱなしになってしまうことや、身につくスキルや効果の幅が広くないことがデメリットです。
チームの状況や必要なスキルに応じて、しっかりと時間をとった研修プログラムやイベントなども検討していきましょう。