チームビルディングで生産性の高い組織を育てる
チームビルディングとは「メンバーが目的遂行に向けて協力関係を気付きながら進んでいける、生産性の高い組織づくり」のことです。チーム内で前向きな協力関係が築ければ、チームのメンバーが発揮する能力を最大化することができます。その結果、チームの生産性は高まり、組織はどんどん強く、大きく成長していくことができるのです。
チームビルディングの方法には様々あり、「対話」「ゲーム」「アクティビティ」「スポーツ」などが挙げられます。単独で実施する場合もあれば、組み合わせて実施する場合もあります。それぞれの方法で得られるチームビルディング効果は異なりますので、チームの状況に応じて、適切に選択することが効果的なチームビルディングを実現するために必要です。
研修プログラムやイベントを利用したチームビルディング
チームビルディングの機会としては、チームの中で日々行われるコミュニケーションの他に、研修プログラムやイベントなどの企画を行う企業が増えています。研修プログラムやイベントは、室内で行う場合と屋外で行う場合があります。
今回は室内ゲームのメリット・デメリットについて考えた後、チームビルディングに最適な室内ゲーム5選を紹介します。
室内ゲームのメリット・デメリットとは
室内のゲームを使ってチームビルディングを実施するメリットやデメリットとして、どんなことが挙げられるのでしょうか?
室内ゲームで実施するメリットについて
- 天候に左右されない
研修プログラムやイベントを屋外で実施するとなると、天候が崩れた場合、当日になっての予定変更や、最悪の場合は中止となる可能性もあります。室内であれば天候に関係なく実施することができます。
- 気軽に取り組める
室内ゲームは準備物が少ないものも多く、すぐに実施することが可能です。定例のチームミーティングの冒頭に短い時間でできる室内ゲームを行うなど、気軽に取り組める点が魅力です。
室内ゲームで実施するデメリットについて
- 気分が切り替わりにくい
屋外で行うアクティビティやスポーツなどは、環境(場所)を変えることで仕事中とは違った気分でリラックスすることができるため、メンバーの意外な一面を見る機会も多くなります。室内ゲームでもゲームに熱中することで素顔が見えやすくなりますが、屋外に比べると開放感は低く、なかなか気分の切り替えができない人もいるでしょう。
チームビルディングにオススメの室内ゲーム5選!
チームビルディングの屋内ゲームとして、代表的なゲームを5つ紹介します。ゲームの内容や準備すべきもの、実施時間や身につくスキルについて説明します。
- 共通点探しゲーム
- 野球のポジション当てゲーム
- ストロータワー
- ピンポン玉リレー
- ブラインドスクエア
1.共通点探しゲーム
共通点探しゲームは、2人1組になり、5分間で相手との共通点を探すゲームです。共通点を多く探すことができたチームが勝利します。ただし「私たちは生きている」といったような、誰にでも当てはまるものはNGです。勝利したペアは参加者全体にコツを共有し、ペアを替えて繰り返しゲームを行います。
共通点を探すために色々な質問をして相手のことをよく知ることができます。人は相手に自分との共通点を見つけると親近感を抱きますので、メンバーが健全な協力関係・信頼関係を築くための一助となります。相手との共通点を探すスキルは、実際の営業や商談などにも活用することができるビジネススキルです。
共通点探しゲームは1度に繰り返し行う点もポイントです。成功例からコツを学び、自分のやり方を改善しくことで、より効果的な方法が生まれていきます。
準備物:なし
対象人数:4名以上〜
実施時間:30分
身につくスキル:主体性・課題発見力・傾聴力・柔軟性など
2.野球のポジション当てゲーム
野球のポジション当てゲームは架空の野球選手9人それぞれのポジションを当てていくゲームです。
チーム1人につき3〜4枚の情報カードが配布されます。情報カードには「山田はライトで、センターはライトより背は高いが、足はライトの方が早い」等、選手の名前やポジションに関する情報が書かれています。情報カードは他の人に見せることができないので、参加者は口頭で情報を伝え合います。
制限時間を迎えたら、各チームは自分たちが考えたポジションを発表します。全てのチームの発表が終わったら正解が発表され、参加者はワークシートを使って振り返りを行います。
断片的な情報をつなぎ合わせることによって正解にたどり着くことができる「ジグソーメソッド」という手法を用いています。チームで協力して1つの回答を導き出す過程は、ビジネス現場でも行われていることです。参加者はより効果的な伝達方法や、メンバーの性格に応じた聞き出し方、コミュニケーションの方法などを学ぶことができます。
準備物:情報カード
対象人数:1チーム4〜6名
実施時間:1時間〜1時間半
身につくスキル:主体性・働きかけ力・発信力・傾聴力・状況把握力など
3.ストロータワー
ストロータワーは、1チームごとに蛇腹のついた折れ曲がるストロー12本とハサミ1丁を使って制限時間内にタワーを作るゲームです。1番高いタワーを建てたチームが勝利となります。開始前に作戦タイムを設けてもOKです。終了後は振り返りを行い、チームに関して得た気づきについてシェアします。
タワーを組み立てていく過程では悲鳴と歓声が沸き起こり、盛り上がるゲームです。不安定なタワーだからこそ、メンバーの自主的で協力的な姿勢が求められます。正解がないため、完成するタワーの見た目もチームによって様々です。オススメの室内ゲーム中でも、チームのカラーや個人の創造性を引き出しやすいゲームと言えます。
準備物:ストロー・ハサミ
対象人数:1チーム4〜6名
実施時間:1〜2時間
身につくスキル:主体性・働きかけ力・課題発見力・創造力・ストレスコントロール力など
4.ピンポン玉リレー
ピンポン玉リレーとは、スプーンorお箸でピンポン玉を持ってリレー形式で運ぶゲームです。早くゴールしたチームの勝利です。スプーンやお箸の大きさ・形を数種類用意することで難易度を調整できます。全員が同じスプーンかお箸を使用する方法もありますが、並べられたスプーンやお箸の中から走者が自分で選択するルールにすれば個性が出て、より盛り上がります。
短い時間でも白熱するゲームなので、同じチームになったメンバーは一体感を感じることができます。意外とおっちょこちょいな人がいたり、次の走者にピンポン玉を渡す際に素晴らしい気配りができる人がいたり、それぞれのキャラクターが出ることでチームメンバーをより理解するきっかけになるでしょう。体を動かすゲームなので、リフレッシュとしても効果的です。
準備物:ピンポン玉・スプーンorお箸
対象人数:6名〜
実施時間:10分程度
身につくスキル:課題発見力・計画力・状況把握力・規律性・柔軟性など
5.ブラインドスクエア
ブラインドスクエアとは、目隠しの状態でロープを指定された形を作るゲームです。チームリーダー1名以外は、全員目隠しをして、リーダーを含めた全員が1つ長いロープを持ったまま、リーダーの指示のもとで指定された形をつくります。
リーダー以外の人にとっては、自分や周りの状況が見えず耳で指示を聞くしかない状況です。そういった中で「指定された形を作る」というチームの目標を達成するために、自分の役割は何か、どう行動すべきかなど、チームの一員として行動することの大切さを実感することができます。リーダーは、混乱するチームが目標を達成するためにどのように指示をすべきか、その難しさを身を以て体験することができます。
準備物:アイマスク・ロープ
対象人数:1チーム5〜6名
実施時間:10分程度
身につくスキル:主体性・働きかけ力・課題発見力・傾聴力・状況把握力など
室内ゲームは初期のチームビルディングとして優秀
チームビルディングとしてゲームを行う場合は、競争や勝敗の有無があり、気づかないうちに夢中になってしまうものが最適です。まずは参加者自身が思い切り楽しめる環境を作ることで、メンバー同士の距離を近づけることができるのです。
室内ゲームは屋外での実施に比べて気軽に取り組みやすく、天候などの影響を受けにくいという大きなメリットもあります。室内ゲームは、チームビルディングの初期段階として非常に優秀なプログラムです。
今回ご紹介したゲーム5種類だけを見ても、取り組むゲームによって身につくスキルも異なります。自社組織においてどのようなスキルが重要なのかを明確にしておくことで、チームビルディングとしてのゲームをより有効に活用することができるでしょう。