第二新卒を採用するメリットや注意点とは?総合的な判断が大切

今後も企業における人材獲得競争の激化が予想されます

優秀な人材の確保は多くの企業にとって重要な問題となっています。売り手市場化が進む中、新卒・中途人材問わず優秀な人材の採用はより難しくなっています。政府の推進する働き方改革では、これまで労働力としての価値を見出されていなかった外国人や女性、シニア世代を活用することで労働力不足を補っていくという指針が示されています。

厚生労働省の調査では、2013年以降は労働力人口は減少する見込みであり、人材の採用はこの先更に困難になっていくと予想されます。

労働力人口の推移
出典元『厚生労働省』労働経済の基礎的資料

少子高齢化に歯止めがかからない今、新卒採用だけでは十分な人数の社員を確保できないことが今後も予想されています。厚生労働省が毎年行っている大学新卒者向けの調査によると、就職はしたものの全体の約30%は3年以内に退職をするという結果もあります。

新規学卒者の離職状況
出典元『厚生労働省』新規学卒者の離職状況

従来の新卒採用方法だけでは、採用予定者数を満たすことができなくなる可能性も今後十分高く、その穴を埋めるべく注目されているのが、第二新卒採用です。ここでは、第二新卒を採用する際、選考時に注意するべき点や気をつけることなど、より具体的な採用方法について紹介します。

第二新卒を採用するメリットや注意点とは?

第二新卒とは、学校を卒業し就職した後、1~3年以内に何かしらの理由により離職をし、転職活動を行う25歳前後の若手求職者の事を指します。既卒という言葉もありますが、既卒は第二新卒とは違い、卒業後正社員として就業実績のない者を指します。新卒と既卒の違いは、新卒後の就業経験の有無だと認識しておけばよいでしょう。

第二新卒の増加は注目を浴びており、厚生労働省が毎年実施する統計調査によると、大学卒業者の3年以内の離職率は、32.6%とという結果が出ています。毎年およそ14万人の第二新卒が生まれます。採用側からすると母集団形成においては到底無視のできない数字であり、個々へアプローチする意味のある数字と言えます。

新規学卒者の離職状況
出典元『厚生労働省』新規学卒者の離職状況

企業が第二新卒を採用するメリットについて

企業が第二新卒を採用するメリットとして、以下が挙げられます。

基本的なビジネスマナーやスキルを備えている

第二新卒はすでに一度社会人経験があります。多くの場合、基本的なビジネスマナーやスキル研修を前職ですでに受けている可能性も高く、入社後いちから教える必要がないという魅力があります。

若年が故に柔軟性が高く可能性を秘めている

一般的なキャリアのある中途採用希望者に比べると、若年であるが故に柔軟性が高く、個々の能力に関しても伸びしろが多く、今後の成長に期待ができるのも魅力です。企業風土にも染まりやすく、馴染むための努力を怠らない傾向にあります。

仕事へ意欲が高くやる気がある

第二新卒の主な転職理由としては「スキルアップのため」「仕事へのやりがい」「会社の将来に不安がある」と行った内容が挙げられます。大きく分けて、キャリアアップを望んでいる場合と、現在の会社に不満があるという2種類に分けられますが、どちらにせよ現状に満足せず、さらなる自分の可能性を見出し広げて行きたいという第二新卒の意欲の高さが伺えます。

仕事に真摯に向き合い自分を分析した上での転職を望む第二新卒者も多く、やる気があり働く意欲の高い人材に出会える可能性も高いのが第二新卒の魅力です。

第二新卒採用時選考におけるポイントは総合的な評価

実際に第二新卒を採用する際に採用担当者が、気をつけておきたい重要視するべきポイントについて紹介します。

いちばん重要になってくるのは、その人のポテンシャルです。そもそも働く意欲があるのか?この会社に入社する気持ちをしっかりと見る必要があります。次に自社に馴染める人材かどうか、また柔軟に対応する力が備わっているかも大切です。第二新卒の魅力でもある柔軟性や伸びしろも評価しつつ、基本であるビジネススキルやマナーが見についているか、モラルについても前向きで自立した意識の基、物事に取り組んでいるかなど、総合的に見て行く必要があります。

第二新卒における採用方法の主流は、中途採用同様求人媒体や転職エージェントを活用した母集団形成による採用方法です。しかし求人媒体においては応募型やスカウト型といった違いもありますし、転職エージェントにおいては、得意とする人材の種類においても、各社違いがあります。時期によっては、第二新卒採用を大々的に謳ったキャンペーンなどを行っているところもありますので、それを活用するのも一つの方法です。

優秀な人材が自社にいる場合には、リファラル採用を活用して第二新卒へアプローチする母集団形成の方法もあります。自社の規模や業態、知名度などによっても、適する媒体や母集団形成方法は変わります。

第二新卒における採用要件を明確にし、どの方法で採用活動を行うことが良いのか、社内で検討することが大切です。

メリット・デメリットを踏まえた上で自社の基準に合わせた採用方法を検討しよう

今後も第二新卒の採用においては、企業も積極的になることが予想されています。少子高齢化が進む現代の日本社会においては、新卒採用だけでは到底人員の確保は間に合わず、企業も第二新卒を視野に入れた採用活動をしていくことが今求められています。

基本的なスキルを持ち、社会人経験があり働く意欲も高い第二新卒と言われており、メリットの部分がクローズアップされがちではありますが、一方で早期退職のリスクや社会人としてのモラルの欠如などデメリットもあります。

メリット・デメリットを踏まえた上で、第二新卒採用を行う際には、求人媒体や転職エージェントといったサービスを活用するほか、自社にいる優秀な人材経由でのリファラル採用などにより母集団形成を行って行く必要があります。自社の規模や業態、知名度似合わせて、最適な採用方法を話し合い、実施していくことが第二新卒採用を成功させるために大切です。

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