Web面接の概要とメリットとは
Web面接とは、面接地から遠方にいる求職者とオンライン上で互いの顔を見ながら面接を実施する面接手法です。求職者が面接地へ移動するためにかかる、時間や費用などの負担を減らすことができる、遠隔面接の手法のひとつです。
遠隔面接の代表格としては、電話面接が有名です。Web面接は電話面接と比べると、お互いの表情を確認できるため、コミュニケーションを取りやすいというメリットもあります。
Web面接の導入は「離脱防止」に役立つ
面接は、採用活動を通して最も使われているプロセスです。就職白書2019の調査によると、面接を実施している企業は99.0%と最多です。
働き手の多様化が進むいま、面接地から遠方にいる、あるいは現職の仕事や家庭の都合で面接に行くことが難しいなどの事情から、面接を辞退するケースも少なくありません。
売り手市場が続くいま、採用選考中の求職者が途中で離脱してしまうなどの機会損失は、企業としては痛手です。Web面接は、面接の機会損失を防止できる手法として、注目されているのです。
web面接実施前に準備・用意すべきこと
Web面接で利用するツールには、SkypeやLINEなど手軽に利用できるものから、有料サービスまでさまざまな種類があります。専用アプリ、チャット機能、録画機能、画面共有機能の有無やセキュリティ強度など、コスト以外にも検討すべき観点があります。導入にあたっては、人事採用担当者が独断で決めるのではなく、情報システム部門やセキュリティ担当者などの意見も取り入れ、比較検討のうえで判断しましょう。
- Web面接に用いるツールの選定
- Web面接対応企業であることの告知(求人媒体や採用サイト)
- Web面接実施マニュアル作成と周知(社内用、求職者用)
- 落ち着いてWeb面接を実施できるスペース確保
Web面接実施マニュアルの作成は必須事項です。どのような手順で、またどのようなことに注意すべきか、情報漏洩リスク対策も意識しながらマニュアルを作成しましょう。web面接に不慣れな求職者にとって、分かりやすいマニュアルは好感度アップにもつながります。
web面接実施「直前」にやるべきこと
通常の面接同様、面接に必要なものを用意します。
- 履歴書、職務経歴書
- 面接評価シート
- 身なりのチェック
- 時計
Web面接でパソコンを使用する場合は、面接時に使う書類データをパソコンで開きにくいことも想定されます。別のデバイスやモニターで閲覧するか、紙で手元に持つのもオススメです。
このほか、Web面接ならではの準備事項もあります。
- 通信機器のセッティング
- テスト通話
Web面接で使用する機器が正常に作動するかどうかのチェックのほかにも、面接中の画面に映り込むところに機密情報がないか、周囲の音声を拾ってしまう懸念はないかを確認します。求職者には、Web面接ツールへのアクセス方法をリマインドしておくとよいでしょう。
ネットワーク機器のトラブルや誤操作、回線が不安定になるといった想定されるトラブルでWeb面接が中断されてしまったときは速やかに対応できるよう、面接官自身がWeb面接に不慣れな場合には、周囲のフォロー体制を整えておくと心強いでしょう。
Web面接実施中に必要なこと、注意事項
Web面接実施にあたって必要なことは、求職者が話しやすい雰囲気を作れるよう配慮することです。Web面接は、求職者の自宅やよくいくカフェなどで実施でき、リラックスできるという意見がありますが、オンラインでの会話に不慣れな場合は逆に緊張するという人も少なくありません。Web面接でも求職者の本音を引き出せるよう、通常の面接以上に注意が必要です。
Web面接ならではのフォロータイム(求職者がWeb面接に不慣れだった場合、面接を開始できるまでに時間がかかる)や、リカバリタイム(回線が途切れるなど不具合でWeb面接が中断した場合に再開するまでの時間)が必要になる場合もあります。時間内に聞くべきことをしっかりと掘り下げられるよう、ゆとりある時間配分を心がけましょう。
Web面接を実施した後に必要なフォローについて
Web面接実施後は、ツール上に求職者の個人情報が不必要に残ってしまっていないか、必ず確認してください。
Web面接実施中にトラブルが発生した場合は、そのトラブル内容と対処法を履歴に残し、関係各位へ共有することが重要です。次回以降、同様のトラブルが発生しないよう、対策を講じることができます。
面接官自身がまだWeb面接に不慣れな場合は、Web面接の様子を録画しておき、Web面接の品質向上を図ることもおすすめです。
Web面接に対する「不安払拭」で企業イメージ向上を
Web面接で事前に準備・用意すべきことは、概ね対面での面接と変わりありません。しかし使用する通信機器のテストなど、Web面接ならではの準備や注意点もあるため、事前に抑えておく必要です。
一方で、はたらこねっとが2018年に実施した調査によると、遠隔面接を希望しなかった理由として第1位に「慣れない方法で不安」が挙げられています。
出典元『派遣/求人情報 はたらこねっと』「遠隔面接」について|みんなの声レポート
Web面接実施にあたりトラブルを未然に防ぐための求職者への情報提供や、トラブル発生後の対応やフローなどを整備し、求職者の不安を払拭できるよう意識することで企業イメージ向上に役立つのではないでしょうか。