チームワークと助け合いは違う?
企業や組織、部署単位でも働く上で必要とされるチームワークについて、何となく理解しているが、重要性については抽象的であり軽視されがちな現状があります。
日本経営協会が行った調査結果によると「組織やチームにおける問題の状況」として、特に問題がないと答えているのは、36.3%にとどまり、残りの約6割以上の企業では何かしらの問題を抱えていることが分かります。
出典元『一般社団法人 日本経営協会』組織・チームにおけるメンバーのあり方と行動についての調査報告書
「組織やチーム内での連携や助け合いの変化実態」では「助け合いがかなり増えた・少し増えた」が22.5%に対し「助け合いがかなり減った・少し減った」は28.6%となっており、助け合いが減少している傾向にあることが分かります。一方チームワークについて見てみると「チームワークが悪くなった・少し悪くなった」が23.7%に対し「少し良くなった・かなり良くなった」が24.9%と若干増加傾向にあることが分かります。
出典元『一般社団法人 日本経営協会』組織・チームにおけるメンバーのあり方と行動についての調査報告書
助け合いとチームワークの違いはどこにあるのでしょうか?今回の記事では、理解されているようで、実は抽象的な認識でとどまっていることの多いチームワークについてその概要やメリットデメリットについて紹介します。
チームワークの重要性が近年再注目されている背景
チームワークとは、同じ目的や目標を掲げ達成するために組織された集団で、個人の力だけでは成し遂げられないような大きな仕事を連携により成し遂げる力のことを指します。構成メンバーは、お互いの弱みを補い合い、強みをより高め合い相乗的な力や効果を生み出して行くことができることがチームワークの魅力でもあります。
チームと言う言葉と似ている言葉にグループがあります。どちらも複数人のメンバーが共同で物事に取り組むという意味では同じですが、大きな違いとしては、求められている成果にあります。
グループでは、構成メンバーそれぞれが個々の能力を全て発揮することに重点が置かれ、最大の成果は個々人の成長にあります。一方チームでは、メンバー間の連携による相乗効果により、一人では解決できない課題をクリアすることに重点が置かれ、その最大の成果は相乗的な力や効果の発揮にあります。
チームワークが近年重要視されている要素として、第一に一人では達成することができない高い目標を達成できることが挙げられます。チームワークの最大の利点であり価値であると言えます。
ビジネス的な背景から見ると、近年の日本経済の長期低迷により自発的なチームワーク結成だけに頼らず、全社員で取り組むことが求められています。会社や組織すべての人の力を発揮させることにより、生産性を向上させることがこの長期低迷期を乗り越える上で重要だと考えられている背景があります。
ビジネスサイクルの短縮化や変化の激しい市場経済により、新たなアイデアの発掘やクリエイティブなことが求められていることが挙げられます。チームワークの活用により、個々人だけでは思いもつかないアイデアや発想が必要とされています。
グローバル化などの影響により、人材の多国籍化や国外進出の際には、現地の人材とのチームワーク力が必要になる点などが挙げられます。
チームワークを高めるメリットとしては、生産性の向上や離職率の低下、メンバーの自主的な成長が期待できことにあります。一方デメリットとしては、チームメンバーに甘んじて、サボりがちな人が出て来てしまったり、多数派の意見に押され自分が本当に言いたかった意見を言えなくなってしまうということが挙げられます。
チームワークを有効活用する上では、こういったデメリットも理解した上で、取り組むことが大切だと言えます。
チームワークを最大活用するためには各々が正しく理解し取り組むことが重要
チームワークを正しい理解のもと実行できれば、組織として個人が持つ能力の何倍もの力や成果を上げることができます。しかし、多くの企業ではチームワークについて課題を抱えており、十分に活用できていないという現状があります。
チームワークを最大限活用するためには、まずはメンバーである当事者たちが正しい知識を持って、取り組むことが大切です。