面接の質問で応募者の「性格の見極め」が重要な理由
面接の質問で「応募者の性格を見極める」ことは、ベテランの面接官でも難易度が高く、面接官によってばらつきが生じやすいものです。性格は、生まれた時から環境によって一生変化しない訳ではありませんが、生物学的基盤に依るところが強く、入社後の研修で育成することは期待しないほうがよいでしょう。
採用面接時の応募者の性格は、入社後にもほとんど変わることがないため、入社前の採用選考段階で見極めることが大切です。ですが見極めの難易度は極めて高いため、面接という限られた時間で応募者の本来の性格を引き出すためには「自社に合う人材とはどのような性格であるか」採用基準を明確にすることが肝になるといえます。
企業は選考で「人柄・性格適性検査の結果」を重視傾向
リクルートキャリアの就職白書2019によると、面接は99%の企業が実施する採用手法です。従業員規模が多くなるほど、実施率も上がります。
企業が採用基準で重視する項目の第1位は「人柄」(92.1%)で、第4位は「性格適性検査の結果」(41.8%)となっています。
企業は、応募者の性格に関する評価基準や評価項目を明確にしたうえで、採用面接担当者で質問項目や質問の仕方を擦り合わせておく必要があります。今回の記事では、面接で応募者の本来の性格を引き出し、見極められる質問について説明します。
面接で見極めるべき「性格」の意味や定義
「性格」の意味とは、性格研究の盛んな心理学の一般的な見方によると「モノについて感じたり、考えたり、行動する時のモチベーションになる、ある一定の傾向や特徴」と定義されています。最新の研究では「性格が価値観に影響を与える可能性がある」との報告もあります。つまり性格とは「個人個人の行動パターンを予測する根っこのようなもの」と捉えることができます。
性格にはどのような種類があるのかという問いに対しては、古くから様々な研究がされています。なかでも有名な性格研究「ビッグファイブ理論」によると、人の性格は5種類に分けられると定義され、多くの心理学研究に用いられています。自社が求める人材の性格採用基準策定の参考にしてみてはいかがでしょうか。
面接で性格を見極める方法とは
面接で性格を見極める方法でおすすめなのは、1つの質問項目を掘り下げていく「質問術」です。
具体的には、「オープンクエッション・発言の背景・具体例・共感(フィードバック)」を上手く組み合わせながら、双方が話しやすい雰囲気を作り、応募者の本音を引き出すという方法です。
面接で性格を見極める具体的な質問例
面接で性格を見極める、具体的な質問例を紹介します。ここでは「性格」という質問項目を掘り下げていく例を挙げます。
1.オープンクエスチョン
「あなたはどんな性格ですか?」
「あなたの性格を動物に例えると?」
「家族や友人からは、あなたはどんな性格だと言われていますか?」
オープンクエスチョンの意図としては、応募者の自由な発言を促し、会話のきっかけをつくります。「はい」「いいえ」で答える質問に比べて、話しやすい雰囲気になります。
2.発言の背景
「なぜそう思うのですか?」
「周囲から言われる自分の性格について、〜〜と感じているのですね?」
質問の意図としては、応募者の発言内容の背景、理由、きっかけなどを質問することで、応募者の真意を探ります。
3.裏付け・具体例
「あなたの性格を象徴するエピソードを教えてください。」
「この性格でよかったと思ったことや、損をしたなどマイナスに感じたことはありますか?」
質問の意図としては、応募者の過去の体験や具体的なエピソードを質問することで、応募者の発言の信憑性を確認します。
4.共感・フィードバック
「私の部下からも、あなたと似たようなエピソードを聞いたことがありますが、私から見ると〜〜〜(肯定)だと思いますよ。」
「〜〜〜の出来事について、もう少し詳しくご自身の性格について考えをお聞かせください。」
面接官に対する印象が入社の決め手になるケースも少なくありません。応募者が話しやすく、しっかり聞いてもらえたと感じられるよう、上手に質問を掘り下げましょう。
面接で性格を見極めるメリットについて
面接で性格を見極めるメリットとしては、早期離職防止が挙げられます。性格の不一致を理由にした離職は、どの企業でも少なくありません。
入社後の人員配置においても、コミュニケーションロスが少なくなることで適材適所を実現しやすく、組織力向上にもつながるでしょう。
面接の質問で掘り下げる項目を、性格適性検査で絞る
性格は、入社後に変わることはほぼないと考えて、面接の段階で優先的に見極めておく必要がある項目です。採用面接で性格を見極めるためには、質問内容や質問の仕方を工夫して面接官で共有しておくことが大切です。
ミツカリなどの性格適性検査を面接の前に実施しておけば、面接の質問で掘り下げるべき性格の項目を絞ることできます。面接という限られた時間を有効に活用し、見極め精度を向上できます。性格の見極めに課題を感じている人事担当者の方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。