カークパトリックモデルとは?教育研修の評価測定を明確化しよう!

企業の教育研修実施における最大の課題は効果測定だった

社員教育は、個々人のスキルや知識を高めるだけでなく、後々の会社への影響を考えると、定期的に実施することは重要です。

産労総合研究所が実施した「2018年度(第42回)教育研修費用の実態調査」によると、企業が社員への教育研修費用として準備している予算は8,017万円で1人あたりに換算すると47,138円です。この数値は3年連続で増加しており、企業が人材教育にかける熱意や優先度の高さが伺えます。

社員の教育研修費
出典元『産労総合研究所』2018年度 教育研修費用の実態調査

HR総研が行った「人材育成「管理職研修」に関するアンケート調査によると、管理職研修の実施率は大手企業であれば、83%以上とほとんどの企業が実施していることが分かります。大手企業では大半の企業で管理職研修が行われる一方、運営上の問題とされているのが、「実施効果の測定ができていない」という点についてです。

管理職研修の実施有無
出典元『HR Pro』HR総研:人材育成「管理職研修」に関するアンケート調査 結果報告

管理職研修運用上の課題
出典元『HR Pro』HR総研:人材育成「管理職研修」に関するアンケート調査 結果報告

多くの企業では、研修実施後「受講後のアンケート調査」や「レポートの提出」などで効果検証を行っていますが、実際には、それでは本当に効果があったのか否かというところの判断が不十分であると言えます。こうした意味でも、現状の「効果測定方法」においては、各社課題としているところが多いことが分かります。

実際に実施した教育研修において、実施効果を測定するために有効的な方法であるカークパトリックモデルについて説明します。

カークパトリックモデルの導入で教育研修の効果を明確に評価しよう

カークパトリックモデルとは、1959年にアメリカの経営学者であるカークパトリック博士が、教育の評価方法のモデルとして開発した考え方です。カークパトリックモデルを実施する目的は、教育研修を受講した結果、参加者がそれに満足しているか、実際に受講して知識やスキルが向上したか、学習したことが実践に生かされているのかなど教育研修実施における結果の測定を明確にすることです。

実際にカークパトリックモデルを用いて評価を行う際には、カークパトリックモデルで定められている評価基準に沿って評価を行います。定められた評価の基準は4段階にレベル分けをされており、それぞれのレベルに教育研修にで得られた効果を当てはめながら、実際に評価していきます。

評価の基準である4段階の内訳は、第1段階は「Reaction(満足)」であり、その研修を受けてみて、学習者が感じる満足度の評価を行います。第2段階「Learning(理解)」では、実際に学習した内容が身についているかレポートや試験を行い評価します。第3段階「Behavior(実践)」実践に活かせているかの評価と、第4段階「Business Results(結果)」業績(売上や生産性の向上など)にどのくらい影響力を及ぼしたを評価します。

カークパトリックモデルを導入することで得られるメリットとしては、今まで漠然と行っていた研修に対する効果測定をより明確に数値として落とし込めることにあります。自社が行っている現状の効果測定の見直しにも効果的です。4段階のうち1段階までの評価までしか実施できていないとすれば、2段階の評価を取り入れるためには、どうしたらいいか、実際に必要な準備や時間について話し合うことができます。

デメリットとしては、業績や結果に対する評価との連動をあまりにも考えすぎるあまり、行き詰まり結局何もできなくなってしまったりすることが考えられます。3段階4段階の評価に関しては専門的な知識を有するため、実際にアメリカでも実施できている企業は少数であり、実施は難しいのが現実だということが言えます。

明確な効果測定は今後の改善にも有効的

カークパトリックモデルを活用することにより、今まで曖昧だった教育研修による評価の効果測定を正確に行うことができます。今まで教育研修を実施することだけを目標にしていたとしたら、今後は企画段階からカークパトリックモデルによる効果測定方法を、企画設計段階から検討しておくと良いでしょう。

教育研修の効果測定をしっかりと行うことができるようになれば、直近の実施効果だけでなく、今後の研修内容の改善や見直し、社員の評価基準などにも応用し活用していくことができると期待できます。

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