多くのCEOが人事データの重要性を理解している
人事データと言われたらどんなことを思い浮かべるでしょうか。
現在その利用価値の高さから、ピープルアナリティクスなどの人事データ分析が注目を集めています。PwCの調査によると、多くの企業のCEOは自社で積極的にコントロールできるデータとデータ分析が非常に重要であると考えているとわかっています。
特に、約9割のCEOが「従業員の意見やニーズに関するデータ」を自社にとって重要なものであると考えていることから、人事データの活用は、経営においても非常に重要な意味を持っていることがわかります。
近年注目されているピープルアナリティクスとは、経営面で確率的な利点を得るために人材マネジメントに統計学と行動科学を体系的に応用することであり、人材に関わる全ての悩みや問題をデータと理論を使って解決し、企業の利益を上げることが目的になります。
今回は、人事データを分析するメリットやデメリットなどの重要性について説明していきます。
そもそも人事データとは何を指すのか?
人事データとはどのようなものを指すのでしょうか。
人事データは「人事分野に関わるあらゆるデータ」のことで、代表的なものとしては、氏名や年齢などの基本情報や給与や評価などの各社員の評価や実績に関わるもの、労働時間や休日取得状況などの勤怠情報などが挙げられます。
主に人事部で管理されていますが、人事に関わる幅広いデータという意味では、他部署に管理されているデータも見方によっては人事データに含まれることがあります。
人事データ分析の意義について
人事データは大部分を人事部が管理している情報になるので、マーケティング部門などとは異なり、一般的に、積極的に活用していくという発想は生まれにくい部分がありました。
人事データという、情報としてはこれまで蓄積されてはいたけれど積極的に活用されてはこなかったデータには、企業が抱える、あるいは将来直面するであろう様々な問題の解決のカギが眠っています。
データの分析から、なんとなくは認識されていたものの明確化されていなかった問題を明確化したり、問題の解決方法のヒントが得られることが人事データ分析の大きな意義です。
人事データ分析のメリットについて
人事データは客観的なデータであり、ただにらみ合うだけでなく様々なツールを用いて適切に分析すること大切です。表やグラフなどの「客観的」にわかりやすい形で問題や解決方法を提示することができます。
多くのデータは数字で管理されているため、具体的な数字に基づいた「根拠のある」分析結果として提示することができるでしょう。
人事データ分析を活用する上での注意点・デメリット
人事データ分析の上での問題点ですが、そもそも分析することを想定して取られていなかったためデータの質や量、正確性などに問題がある場合は分析そのものが不可能になってしまいます。
データが存在しても適切に分析できるスキルを持ったデータサイエンティストがいない場合は、データ分析の外部委託や、分析のための人材の採用や育成にコストが掛かってしまいます。
現在はビックデータの価値が大幅に認められ、多種多様なデータが取得できるようになってきていますが、分析方法は複雑になり、データ分析の難易度は上がり続けています。
人事データを分析する目的を明らかに使用
書類の電子化やシステム化が進むだけでなく、従業員の性格や価値観、モチベーションやエンゲージメントなどの情報もデータ化され、人事データ分析の可能性も広がっています。一方で、データ量の増加や多様化に比例して、分析の難易度も上がり続けています。
人事データを分析することで、課題を発見したいのか、課題を解決するための施策を考えたいのかなど、分析の先の目標を明確にし、様々な仮説を立てて、人事データの分析で検証を行うことが、人事データ分析に必要な視点になるでしょう。