コーチングの手法とは?コーチングを行う上で必要なスキルについて

コーチングは適切な手法で行う必要がある!

コーチングとは、相手の話に耳を傾けて観察や質問、提案などによって相手の内面にある答えを引き出す、目標達成支援の手法を意味する言葉です。

コーチングは、主に管理職の人材育成手法として注目されています。リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、管理職になって以降コーチングを受けたことのある人のうち約9割が「役に立った」と回答しています。

コーチング役立ち度
出典元『RMS』コーチングに関する実態調査

多くの企業において管理職の能力向上や管理職候補の育成が課題となっている中で、コーチングによる人材育成は優先して取り組むべき施策のひとつといえます。しかし、コーチングの実施方法が適切でなければ、期待する効果が得られない可能性があります。

今回の記事では、コーチングの手法やコーチングを行う上で必要なスキルについてご紹介します。

コーチングの手法とは?コーチングを行う上で必要なスキルについて

コーチングを実施するにあたっては、守るべき重要な原則が3つあります。

  1. インタラクティブ(双方向)
  2. オンゴーイング(現在進行形)
  3. テーラーメイド(個別対応)

1.インタラクティブ(双方向)

インタラクティブとは「双方向的」「対話型」という意味の英語です。コーチングでは、双方向のコミュニケーションが重要になります。

コミュニケーションというと、そもそも双方向であるイメージが強いですが、コーチングをする側とされる側の立場が上司・部下の関係性であったり年齢の差があったりすると、一方的・指示的になる可能性があります。

一方的なコミュニケーションになると、コーチングの目的である「相手の有している力や可能性を最大限に引き出すこと」を困難にしてしまうため、インタラクティブが重要とされています。

2.オンゴーイング(現在進行形)

オンゴーイングとは、継続的に働きかけを行うという意味の言葉です。コーチングは、一度行えばすぐに明確な成果が出るような施策ではないため、継続的な実施が重要になります。

コーチングによって目標達成のために何が必要かを理解できたとしても、具体的なアクションを落とし込むステップで躓く場合があります。コーチには、中長期的かつ複数回に渡るコーチングを重ねて、コーチングを受ける人のパフォーマンス向上をサポートしていく姿勢が求められます。

3.テーラーメイド(個別対応)

テーラーメイドとは、個別対応を意味する言葉です。一般的なOff-JTでは参加者全員に画一的な教育を行いますが、コーチングでは一人ひとりの個性や考え方に合わせた対応が重要になります。

例えば同じ「なぜ失敗したと思う?」という言葉をかけたとしても、人によって「失敗を責められている」と感じる人や「失敗の原因を一緒に考えてくれている」と感じる人など、言葉の受け止め方が異なります。また、休憩中に雑談がてら言われた場合とミーティング中に大勢の前で言われた場合など、伝えるタイミングや伝え方によっても受け取られ方は大きく変わります。

コーチングでは、一人ひとりの性格や価値観といった個性に合わせて、接し方を変えていく必要があるのです。

コーチングを行う上で求められるスキルとは?

コーチングを行う上で必要なスキルは多々ありますが、基本的なスキルとして「傾聴」「質問」「評価(認める)」が重要とされています。

株式会社コーチ・エィが運営するコーチ・エィ・アカデミアでは、コーチングで求められるスキルを、先述の3原則をベースに次のように整理しています。

コーチングに必要なスキル
出典元『コーチ・エィ アカデミア』コーチングの基本

インタラクティブに対応するコーチングスキルとは?

インタラクティブに対応するコーチングスキルは「質問」「聞く」「ペーシング」の3つに分類されます。

ペーシングとは、話すリズムや言葉、対応姿勢や声のトーンなどをクライアントに合わせて行うという意味の言葉です。

ペーシングは、人間の心理上相手が自分と近い存在だと感じると安心感を抱くと言われているため、クライアントと信頼関係を築く上で重要なスキルになります。話す早さや声のトーンを相手のペースに合わせて距離感を縮め、コーチングの効果を高めるスキルです。

オンゴーイングに対応するコーチングスキルとは?

オンゴーイングに対応するコーチングスキルは「承認」「構造づくり」「コーチングの戦略」の3つに分類されます。

構造づくりとは、コーチングを受けた人が継続的に行動できるように、評価制度やフィードバックなどの構造を作るスキルを意味する言葉です。またコーチングの戦略は、コーチングを受ける人のゴールを明確にして、コーチング戦略を構築するスキルを意味します。

テーラーメイドに対応するコーチングスキルとは?

テーラーメイドに対応するコーチングスキルは「タイプ分け」「データベース」「学習スタイル」の3つに分類されます。

タイプ分けとは、コーチングを受ける人一人ひとりに対して、個別に対応するスキルを意味する言葉です。データベースは、コーチング対象者にまつわる情報をデータベースとしてストックしておくスキル、学習スタイルは、クライアントの学習スタイルの特性を掴むスキルを意味します。

タイプ分けで重要なのは、コーチングを受ける人が視覚や聴覚など、どの感覚に重きを置いた学習スタイルが適しているのかを把握することです。コーチがコーチング対象者一人ひとりの個性を把握した上で適切な対応を取ることが、テーラーメイドな対応につながるのです。

コーチングの手法に合わせたスキルを身に付けよう!

コーチングとは、相手の話に耳を傾けて観察や質問、提案などによって相手の内面にある答えを引き出す、目標達成支援の手法を意味する言葉です。

コーチングの手法によって、求められるスキルの種類はさまざまです。コーチングを効果的に行うためには、コーチングの目的だけでなくコーチングの3原則を理解しておくことが大切です。また、コーチは必要なスキルを十分に理解して、各個人に合わせた対応ができるように、研鑽を重ねていく必要があります。

効果的な手法でコーチングを実施し、各部署における人材育成だけでなく、組織全体におけるマネジメントに柔軟性を持たせ、円滑な業務遂行につなげましょう。

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