多くの労働者がキャリアプランを考えていない
人生１００年時代が到来するといわれている昨今、１人１人が今後のキャリア設計や自分の将来に向けて考える必要性が叫ばれています。人材サービス企業であるアデコのキャリアプランについての調査で、男性の５割がキャリアプランについて考えていないと回答しています。
出典元『THE ADECCO GROUP』働く人のキャリアに関する意識調査
キャリアプランについて考える理由として男性は「スキルや資格、経験が将来通用するかわからない」という不安が元になっていることが多いのに対して、女性は「良いキャリアを実現したい」と前向きな理由でキャリアプランについて考えており、男女間で違いがあります。
出典元『THE ADECCO GROUP』働く人のキャリアに関する意識調査
男女ともに「現在の勤め先」でキャリアを築いていきたいと考えていることが多いため、自社従業員のキャリアプランを考えることは企業にとって重要な要因となるでしょう。
出典元『THE ADECCO GROUP』働く人のキャリアに関する意識調査
今回は従業員のキャリアプランを考えるメリットやデメリットについて説明します。
キャリアプランとは？従業員をサポートする重要性
キャリアプランとは、将来どのようになりたいかという目標と計画を立てることをいいます。人生設計の中でどのように働きたいのか、どんな仕事をしたいのか等、長期的な自分の将来を描き、その目標に向けてどうしていくのかという計画を立て実現に向けて行動することです。
仕事だけでなく、目指すポジションや働き方、仕事と家庭とのライフワークバランスなども含まれます。
キャリアプランを作る目的について
キャリアプランを作る目的は自分のなりたい姿や目標実現に向かって行動しやすくすることです。どんな事をしたいのか、そのために何をすべきなのかということを計画立てることで、人生を逆算し、迷いがないよう行動に結び付けることが可能になります。その結果、目標のゴールの実現に近づくことができるのです。
従業員のキャリアプランを作る企業としてのメリットについて
企業として従業員のキャリアプランを作るメリットは、社員が前向きに働いてくれることで生産性の向上や後輩の育成や教育により効果がプラスに反映されることです。仕事の姿勢も前向きとなり、企業の売上や生産性を上げてくれるでしょう。
人事異動の際には、社員一人ひとりのキャリアを意識した配置にすることで組織の活性化につながったり、実力ややる気のある社員を積極的に登用できるというメリットもあります。
自分に足りないものは何か、どうすれば実現できるかを考えるため、仕事の目標に向かって明確な道筋ができます。上司や管理職は、社員のキャリアプランを共有することで、どんな気持ちで仕事に向き合っているのかを理解することができるメリットもあります。
従業員のキャリアプランを作る企業としてのデメリットについて
キャリアプランを作る際に、会社の中のキャリアだけでなく社員1人1人の人生や、価値観、好きなことなどを考えて描いていく必要があります。社員の受け止め方によっては自社内でのキャリアではなく、会社外を超えたキャリアを考えてしまい、退職を検討してしまう恐れがあります。
可能性として「今の仕事はやりたいことと違った」「今後の人生を考えたらほかの会社にいった方がいい」などと極端に考えてしまう人も0ではありません。将来の経験値を増やすために、スキルアップとして転職を考える機会を与えてしまう可能性があります。
従業員のキャリアプランを作る従業員としてのメリットについて
主体的に自らのキャリアプランを作ることで、モチベーション向上につながり仕事へのやりがいが増えます。会社の中で今後どのようなスキルを身につけ、どんな経験をすべきなのかが可視化されるため、仕事における知識が不足していると感じている人は、自分で勉強したり資格を取ったりするなども積極的に取り組むことができます。
上司にキャリアプランを共有しておくことで、将来やりたいことやなりたい姿を伝えることができるので、人事異動やキャリア開発の上で有利になる可能性があります。
従業員のキャリアプランを作る従業員としてのデメリットについて
キャリアプランを作るデメリットは、自分の理想が自社で叶えることができるのかが見えてしまう点です。叶えることができるという結論になるかもしれませんが、叶えられないとわかると退社を考えるきっかけとなるかもしれません。
キャリアプランをつくることで自分の今後の可能性を狭めてしまうこともあるでしょう。将来全く異なる職種や他の道へ進むこともあるかもしれませんが、キャリアプランを作ることで幅を狭めることにもなるでしょう。
色々な経験をした上でやりたいことや得意なことが見えてきて、自分の道が作られていくことが多い中、やりたいことがまだ見えていない人にとって様々な経験をする機会を狭めることは、キャリアプランの可能性が狭くなってしまうことにつながります。
キャリアプランを作ることでモチベーションやスキルアップに繋がる
キャリアプランとは従業員の将来設計と結びついた社員育成のことであり、配属や教育研修などの軸として活用することができます。
従業員のキャリアプランを作成して理解することで、従業員のスキルアップ・キャリアアップに貢献できるだけでなく、従業員のモチベーションアップにもつなげることができるのです。