アルバイト採用における日本の現状について
帝国データバンクの調査によると、正社員不足に悩む企業は50.3%と過半数を超えています。アルバイトなどの非正社員においても、3割近くの企業が人手不足に悩んでいます。
出典元『帝国データバンク』人手不足に対する企業の動向調査(2019 年 10 月)
パーソルキャリアの調査でも、アルバイトの有効求人数は近年右肩上がりとなっており、有効求人倍率も1.8倍程度と売り手市場になっています。
出典元『パーソル キャリア』労働市場データ(2019年3月号)
マイナビの調査では、採用コストが増加している一方で採用目標が未充足の企業の割合のほうが多くなっていることがわかります。採用目標達成率は、全体の7割超が「未充足」で、達成率平均は58.7%と半分の企業が採用数が足りていない状況となっています。どの業種でも人材不足感が強い状態で、採用単価は上がる一方で採用は苦戦している現状となっています。
アルバイト採用における母集団形成がいかに大切かお分かりいただけるかと思います。今回はアルバイト採用における母集団形成を行う媒体の特徴について説明します。
アルバイト採用における媒体と各媒体の特徴について
アルバイト採用にはどのような媒体があるのでしょうか。各媒体と特徴について説明します。
1.Webの求人サイト
Webの求人サイトは今や一般的で、求人募集の主流はWeb媒体になってきています。
インターネットはターゲットも多く介在しているため、webを日常的に活用している若年層だけでなく、主婦層やフリーター層などアルバイト探しの際には、どの層も比較的webの求人サイトで情報収集しています。誌面やハローワークなどに比べて求人の情報量も多く、ユーザーが気になるポイントをわかりやすく伝えられ、情報を多く記載できる点もメリットでしょう。
応募も24時間受付対応が可能となり、求職者の応募も増え、かつ求職者を逃しにくくなります。スカウトメールを送ったり、魅力を訴求するための機能やターゲットを絞り込んで検索軸を設けることができたりなど様々な機能を使うことができます。
デメリットとしては、採用ができなくても広告費用がかかることや、競合他社が多くいるため自社の差別化を図りにくいことがあげられます。webメディアによっては費用対コストの面で割に合わないケースもあるでしょう。
2.ハローワーク
ハローワーク内に設置された求人検索端末に求人情報を掲載する方法です。企業(事業所)の住所を管轄するハローワークで申込をすると、求人情報がハローワークの情報端末内に掲載されます。
ハローワークの最大の魅力は採用コストがかからないことでしょう。無料掲載で掲載時期も選べるため気軽に募集を募ることができます。
デメリットとしては、手続きが煩雑であることや決まった定型の求人票のため、掲載できる情報が少なく、ターゲットと異なる応募者からの応募も多くマッチングが難しく結果採用に結びづらいといった懸念点が発生します。
3.紙媒体
紙媒体はフリーペーパーやチラシなどを指します。
紙媒体の求人紙はwebと異なりエリアが限定的なことが特徴です。地域密着型の採用ができるため、近くに住んでいる主婦や学生など近所で働きたいと考える人の採用に結びつきやすいです。
駅やコンビニなどにフリーペーパーが設置されているケースが多いため、気軽に手に取ってもらう頻度も高く、ハローワークに行かないと見ることができない求人よりも目に触れられる機会は多くなるというメリットがあります。
デメリットとしては、採用しなくても費用が発生することや選ぶ型にもよりますが、情報量に限界があること、一度情報を掲載してしまうと変更ができない点が挙げられます。
4.店舗のチラシ
アルバイト採用ですと店舗にチラシを掲載し人を募集するということも多いかと思います。採用費がかからないので他の採用手法と並行して行われることが多いです。
店舗や事業所の雰囲気を知っている人や店の周辺を訪れることが多い人が応募をしてくれるのである程度仕事の雰囲気を理解してくれている可能性が高いでしょう。
気軽に募集をかけられる反面、応募数はあまり期待できません。大量募集や複数人アルバイトを募集する際は、他の募集手段と併用して活用するようにしましょう。
効果的な媒体を選択できれば採用工数の削減にもつながる
アルバイト採用であっても、新卒・中途採用と同じく、どのような人材を採用したいのかという採用要件定義を明確にし、ターゲットとなる人材がどのような媒体に触れているのか判断し、より効果的な媒体を選択して母集団形成を行うことが大切でしょう。
効果的な媒体を選択できれば、求人広告費用の削減だけでなく、不要な面接や連絡もしなくて済むため、採用工数の削減にもつながります。今後のアルバイト採用は戦略的に媒体選定を行ってみてはいかがでしょうか。