リクルーター面談では「質問への回答」を準備しておく
リクルーター面談は、自社に興味を持っている求職者との対話を通じて、自社への理解を深めるとともに、志望・入社の動機付けをするなど、様々な機能を担っています。
リクルーター面談において、求職者が知りたいことや質問の目的は、業種や職種に関わらず共通した傾向があります。求職者の質問に対する会社としての回答を準備しておくことが重要です。
リクルーターへの印象が志望意欲を左右する
ディスコが発表した「リクルーターとの接触経験」 レポートによると、就職活動中にリクルーターとの面談を経験する学生は4割以上で、年々増加傾向にあります。
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
リクルーターと接触して良かったことがあると回答した学生は96%で、最も多かった理由は 「事業内容や社風など企業理解が進んだ」。リクルーター制度の導入が、母集団形成に役立つことは明らかです。
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
リクルーターに対する印象がその企業への志望度にどの程度影響するのかを尋ねた質問については、実に9割弱が「影響がある」と回答しており、企業側はリクルーター制度がうまく機能するよう改めて留意すべきだといえます。
出典元『キャリタス就活2017』就活生に聞いた「リクルーターとの接触経験」
リクルーター面談での質問の目的とは
リクルーター面談における求職者が質問する目的は、3つあります。
1つ目は企業研究・業界に役立つ一次情報を得ることです。2つ目は、実際に働き始めてからのイメージを具体化すること。そして3つ目は、面談をOB・OG訪問とは異なる選考の場として捉えて、自己PRをすることです。
リクルーター面談で伝えるべき内容について
リクルーター面談は、求職者からの質問を受けるだけの場ではありません。当然、企業側から求職者へ伝えるべきこともあります。自社の事業内容や業務内容など、求職者にとって企業研究および業界研究に役立つ情報はもちろんですが、最も伝えるべきは「自社が求める人物像」ではないでしょうか。
リクルーターはある意味、自社が求める人物像を「体現」している人物です。自身の価値観や経験を含めて、自社の情報を提供することで、自社が求める人物像を求職者は感じ取ることができるはずです。質問に対するリアクションを見ることで、リクルーター側も求職者の人物像を把握することができるでしょう。
リクルーター面談で質問される具体例について
リクルーター面談で、求職者から質問を受ける内容はパターン化されています。よく受ける質問については、具体的な内容と意図を理解し、うまく伝えられるように準備しておくことが大切です。
- 事業内容
- 業務内容
- 志望・入社理由
- やりがい
- キャリアプラン
- 社風・社員
- 働き方
- スキルや経験
- 求める人物像
1.事業内容
「御社の◯◯事業について、質問させてください」
「◯◯事業のビジネスモデルがホームページに書かれていたのすが、詳しく教えてください」
質問の意図:ビジネスへの理解を深めたい。志望意欲を高める前段としての情報収集。
2.業務内容
「△△さんの業務内容をお伺いしてもよろしいですか?」
「△△さんの1日のスケジュールを教えてください」
質問の意図:具体的にどのような仕事をしているのかの理解を深めたい。自分の適性を確認したい。
3.志望・入社理由
「△△さんが、御社を志望された理由は何ですか?」
「入社の決め手になったことは、どのようなことがありますか?」
「企業選びの軸になったことがあったら、教えてください」
質問の意図:どのような観点で同業他社との比較や企業選びを行うべきか参考にしたい。企業選びの価値観において共感できるかどうかを検討したい。
4.やりがい
「現在担当している業務の中で、やりがいを感じることは、どんなことですか?」
「御社の理念である×××に、業務を通じて実感することはありますか?」
「この会社で成し遂げたい夢はありますか?」
質問の意図:就業後の姿を具体的にイメージしたい。やりがいを持って働くことができるかどうかを見極めたい。憧れの先輩やロールモデルがいるかを知りたい。
5.キャリアプラン
「△△さんは、今後はどんなキャリアプランを描いていらっしゃいますか?」
「キャリアプランについて、上司の方などと相談することはありますか?」
「◯◯職では、どのようなキャリアパスを歩む方が多いですか?」
質問の意図:長期的にどのようなキャリアを歩めるのか、見通しを立てる参考にしたい。キャリア開発に対するサポート有無を見極めたい。
6.社風・社員
「自由闊達な社風だとホームページに記載があったのですが、△△さんの部署でもそういった雰囲気ですか?」
「◯◯職では、どのような方が活躍されていますか?」
質問の意図:社風と自分の性格のマッチ度を図りたい。上司や先輩となる人たちがどんな人か、うまくやっていけるかどうかの不安を払拭したい。
7.働き方
「お子さんが産まれた社員さんたちは、どのような働き方ですか?」
「様々なことにチャレンジできるとホームページに記載があったのですが、具体的に何か制度などが設けられているのでしょうか?」
質問の意図:長期的にモチベーション高く働ける環境かどうか、(やる気が無いと思われないよう注意すべきだが)やる気があるからこそリアルな情報を知りたい。
8.スキルや経験
「自分は、◯◯のスキルや経験を強みだと思っているのですが、御社に入社した場合、どういう場面で役立ちそうでしょうか?」
質問の意図:入社した場合、どのようなスキルが必要になるか、予め把握しておきたい。自分のこれまでの経験から、PRできることがあるかを探りたい。
9.求める人物像
「どのような素養・能力を備えている人材を求めていらっしゃいますか?」
質問の意図:自分との相性を総合的に図りたい。求める人物像に沿った形で、上手に自己PRをしたい。
複数のリクルーター同士で共通認識を持つことが重要
リクルーター面談では、正式な面接での自己PRとは違い、求職者も企業理解を深めるための情報収集を重要視しています。リクルーター面談における求職者からの質問に対しては、個々のニーズに適した情報を提供することが大切です。
複数のリクルーターがいる場合は、リクルーター間で共通認識をもち、どの求職者にも統一された情報を提供することが大切です。社風や求める人物像など、抽象的な情報については、リクルーター研修などを通じて認識を統一させることが必要になるでしょう。