多くの日本企業が人手不足に陥っている
日本の人手不足の現状ですが、帝国データバンクの調査によると、従業員の不足を感じている企業は年々増加しているといいます。2019年の調査では従業員不足を感じている企業の割合が50%を超えています。
出典元『帝国データバンク』人手不足に対する企業の動向調査(2019 年 10 月)
厚生労働省の調査でも、人手不足を感じている企業の割合はここ10年ほど増加傾向が続いており、日本全体で人手不足が深刻な問題になっています。
人手不足に陥らないためには人材を採用する必要があるものの、少子化による労働力人口の減少が続く中での採用活動にはさまざまな課題があるのです。
今回は中途採用における課題について説明します。
新卒採用と中途採用の採用目的の違いについて
新卒と中途の採用の目的の違いは何があるのでしょうか。
新卒採用はポテンシャル重視であることが言えるでしょう。新卒採用者は社会人経験がない学生となるため、業務経験がないため即戦力としてのスキルは求められていません。新卒で期待されているのは今後の可能性や伸びしろです。成長意欲や今後活躍する気持ちがあるか、企業に貢献できる人材か等、人間性や価値観、考え方などその人そのものを様々な角度や幅広い視点で判断します。
中途採用は即戦力が期待され、任せたい業務の経験や実績が重視されます。持っている能力や経験が大きく判断されます。
新卒採用の面接は、よりその人自身の考え方や意見を聞く質問が多いですが、中途採用は今までの経歴やできる業務の確認の質問が多くなります。
中途採用における課題とは?
中途採用の課題は何があるでしょうか。
マンパワーの調査によりますと、中途採用で抱える課題で最も多かったのが「応募者がなかなか集まらない」であり、「求める人材の確保が難しい」「ターゲットとしている人材以外からの応募が多い」も続き、人材確保の課題を抱えている企業が多いことがわかります。
次に「採用コストが高い」「採用前に、応募者の実力を見抜けない」「採用後、早期離職が多い」も上位となっており、人材を確保するための費用が上がっていること、せっかく採用に至ってもギャップが発生している状況となっています。
出典元『マンパワーグループ』4割の企業が不調に悩む「中途採用」。人事担当者が抱える課題とは?
中途採用における課題の解決方法について
中途採用における課題を解決する方法は何があるのでしょうか。
応募者の確保の課題については、ターゲットや採用基準の見直しを図ることを検討しましょう。中途採用は即戦力を求めるあまり、スキルや経験を必要以上に高く求めてしまう傾向にあります。応募者側のスキルや経歴と企業側が求める要件とのギャップが大きくなり、採用につながらないケースも発生してしまうでしょう。絶対に譲れない基準を明確にし、人手不足のマーケット状況を現場にも理解してもらいながらギャップを埋めることは解決策のひとつとなります。
様々な募集媒体や応募方法があるため、求めたいターゲットにあった採用メディアを使えているか確認しましょう。ターゲットと自社に合った募集方法を選択しているか、ターゲットに適した場所に情報掲載されているか、届いているのか確認してみるのは効果的です。
採用手法の見直しも検討しましょう。企業側と応募者側のギャップは早期離職の要因ともなります。応募者の希望やかなえたいことなどもきちんと理解することが大切です。企業側が判断する採用ではなく応募者も企業のことをきちんと理解できる場を設けることも重要でしょう。
ターゲットを明確にし、適した採用手法を検討しよう
少子化による労働力人口の減少が続き、企業の採用活動にはさまざまな課題が生まれています。採用活動における課題は色々ありますが、新卒採用と中途採用では課題にも解決方法にも違いがあります。
中途採用の場合、ギャップが生じないよう求めるターゲットを明確にしどんな採用手法が合っているのか、採用手法ごとの課題の違いを知り、それぞれの課題に合わせた適切な対策をしましょう。