メラビアンの法則とは?コミュニケーションで重要な情報を理解しよう

第一印象がコミュニケーションを決定づける?

就職面接のセミナーや接客研修などで「人のイメージは第一印象で決まる」「声のトーンが大切」などと指導された経験はありませんか?これは「メラビアンの法則」と呼ばれる心理的な動きによるものです。

資生堂とマイナビの新卒採用面接官を対象とした調査によると、面接での第一印象が選考に影響すると答えた面接官は95.5%と、ほぼ全員が第一印象による影響があると回答しています。

面接での第一印象
出典元『PR Times』一般企業の新卒採用面接官645人に聞く「男子就活生の髪型調査」

ヒューマンブレインによる営業マンの第一印象に関する調査では、7割以上の人が「第一印象と実際の人柄が一致した」と回答しています。本調査では「実際の性格と本当に同じなのか」ではなく「一致していると感じている」割合を出しています。最初に受けた印象が本当であるかを確認する「確証バイアス」が働いている可能性も大いにありますが、第一印象によって人柄の判断が引っ張られることは確かです。

第一印象と実際の人柄が一致した
参考URL『MANAGEMENT LEADER』”営業マンの顔”7割以上が「第一印象と実際の人柄が一致した」と回答

今回は第一印象や会話内容とコミュニケーションの関係性を説明した「メラビアンの法則」についてご紹介します。

メラビアンの法則とは?コミュニケーションで重要な情報

メラビアンの法則とは、1971年に米国の心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、研究と実験に基づいて話し手が聞き手に与える影響を数値化したものです。「3Vの法則」や「7・38・55ルール」と呼ばれることもあります。

メラビアン氏は、人間が誰かとコミュニケーションを取る際、言語・聴覚・視覚の3つの情報から相手を判断していると仮定しました。情報が相手に与える影響は3つあり、言語7%、聴覚38%、視覚55%で、これが「7-38-55ルール」です。言語情報は全体の7%のみですが、重要なのは、スムーズなコミュニケーションには言語、聴覚、視覚すべてが表す内容に矛盾がなく、バランスが取れていることと言われています。

現在は「好印象を与える極意」として研修やセミナー、多くのレクチャー本などが紹介されています。しかしどれだけ見た目をきれいにしても、「言語」「聴覚」「視覚」3つの要素がバランスよくそろっていないと、つまり「声のトーンやジェスチャーが言いたいことと一致していない」と誤解させてしまう可能性があるのです。

メラビアンの法則を構成する3つの要素について

それぞれの構成要素について詳しく見てみましょう。

言語情報

言語情報とは、話し手が発する言葉そのものの意味や言葉で構成される話の内容のことです。

言語情報を使ったコミュニケーションを「言語コミュニケーション」「バーバル・コミュニケーション」と呼びます。

聴覚情報

聴覚情報は、話し手が発する声のトーンや大きさ、また、話し方(口調)や話す速さ(テンポ)などのことです。

視覚情報

視覚情報は、話し手の表情や目線、そして態度や仕草、また見た目などのことです。身体言語(ボディーランゲージ)とも言われます。

「視覚情報」、先ほどご紹介した「聴覚情報」を使ったコミュニケーションを「非言語コミュニケーション」「ノンバーバルコミュニケーション」と呼びます。

非言語的コミュニケーションの重要性について

「メラビアンの法則」からわかることは、コミュニケーションは言語情報だけでなく、非言語情報も非常に大事なのだということです。「何を発言するか」かも大事ですが、「どう言うか」「どういう態度で存在するか」が、実はさらに重要なのです。

「良いことを言っているのに伝わりにくい人」がいる一方、「普通のことなのに説得力がある人」も存在します。これは「どう言うか」「どういう態度で存在するか」が影響していると考えられます。

政治家が選挙時に重要視するのは、「政策(何をやるのか)」ではなく「イメージ(印象)」だと言われています。 「必死さが伝わった」「応援したくなる」と思ってもらうことが目的なのです。有権者が「話の内容」より「視覚や聴覚から入ってくるイメージ」をより重視していることを知っているのです。握手を一生懸命求めてきたり、選挙戦終盤に涙ながらに演説したりするのです。

理屈じゃなく感情に訴えてくるものに我々は動かされるのも、事実なのです。

メラビアンの法則の活用方法について

人とコミュニケーションを取る際には視覚情報が最も優先されるという結果から、相手に伝わりやすい話し方のコツは「無表情・棒読みは避けて、内容が伝わる言葉を使う」ことだと言われています。視覚情報だけでなく聴覚・言語情報にも意識を向けることです。

メラビアンの実験の通り、同じ言葉を話していても、表情が違えばまったく異なる印象を与えます。たとえば、笑顔で「うん、そうだね」と言った場合と、無表情の場合は実際の受け取り方が異なります。伝えようとしていることをより正確に、より伝わりやすく伝えるためには、できるだけリアクションなどにもそれを表すとよいでしょう。

複雑な内容を伝えようとするとき、話すことに集中しすぎてつい棒読みや早口になってしまうことはないでしょうか。普通に話したら、受け手は言葉を理解できますが、内容はなかなか頭に入らないと言われます。声の高さや抑揚をつけることで、言語情報以上の内容を伝える力が生まれるのです。

コミュニケーションの際、まずは誤解なく伝わる言葉を選び、そこに抑揚や声のトーン、表情などで肉付けをしていくイメージで話をしてみましょう。

ビジネスシーンでは以下のことに留意するとよいとされています。

効果的なチャネルの選択

営業や接客業など、顧客と直接コミュニケーションを取る職種で必要となるのは、顧客のニーズをつかむことです。コミュニケーション時の声や表情は、言葉以上に本当の気持ちを表します。

言語、聴覚、視覚から得られる情報は、相手を理解するためのチャネルとなります。丁寧に注意深く観察することをオススメします。相手に何かを伝える際には、より伝わりやすいチャネルを選ぶことが不可欠です。

営業・面談

対面でクライアントなどと接触する場面は、ファーストコンタクトや商談のクロージングなどが適しています。対面で直接コミュニケーションを取る時間を持つことで、相手の言葉や表情、声のトーンなどさまざまなチャネルから情報が得られるため、相手の真意を読み取りやすいのです。

もちろん相手に自分の真意を伝えやすくもあるため、表情や声の抑揚、身振り手振りなどを意識して、丁寧な対応を心掛けることが重要です。

電話

電話では、相手の表情などの視覚情報がありません。そのため「言葉」「声のトーン」を中心に相手に意図を伝えることになります。

視覚情報がなくても、聴覚と言語情報で45%を占めるので、ある程度の感情や言葉の裏にある本心などは伝えることができます。場合によりますが、言葉や声のトーンだけでなく、表情の変化なども相手の事情や気配を感じられる場合があります。

メール

メールは一般的なコミュニケーション方法ですが、対面でもなく音の情報などもないため、感情を丁寧に伝えることは難しいといえます。

メールはビジネス的な事務的連絡や細かいデータなどのやり取りなどに適した方法です。重要な要件などは、メールで送った後に電話などでフォローする、実際に合った際にはメールの内容について触れておくと誤解が生まれにくいと言えます。

メラビアンの法則を組織のコミュニケーションに活かす

人の第一印象を決める要素はメラビアンの法則で知ることができ、コミュニケーションに活用できます。

メラビアンの法則を知っておけば、相手に良い第一印象を与える方法が分かるだけでなく、第一印象による先入観で人を評価しそうになった時にそれを自覚し、正当な評価ができるようになります。ビジネスにおいて第一印象は非常に重要ですが、相手に良い第一印象を与えられるように意識した上で、自分は第一印象による先入観に引っ張られ過ぎないようにすることが大切です。

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