インフォーマルラーニングとは?学習機会の過半数を占めている

部下への教育不足による課題

多くの企業で「採用が難しい」と叫ばれる昨今では、自社の成長プランに合わせた人事戦略の設計がいっそう重要となっています。人材マネジメントは、理想の人材を採用するだけでなく、戦力として長期的に機能するように計らう必要があります。しかし早期離職なども頻発し、なかなか長期的に在籍して将来的に経営層として活躍してくれる人材を確保・育成できない人事課題が普遍性を帯びています。

リクルートマネジメントソリューションズは「人事・組織戦略上の課題」についてのアンケート調査を行いました。ここでは「自分の後任を担える人材・次世代リーダーが育っていない」と回答した企業が最も多く、特に経営層が抱える課題であることが報告されています。

人事・組織戦略上の課題
出典元『リクルートマネジメントソリューションズ』成長企業における人材・組織マネジメントに関する実態調査

内閣府の調査でも、管理職がマネジメント行動を執れていないと思う割合は、管理職・一般職員ともに「部下のキャリア形成や人材育成に対する支援」が1位として挙げられています。

管理職がマネジメント行動を執れていないと思う割合
出典元『内閣府』管理職のマネジメント能力に関するアンケート調査 結果概要(最終報告)

今回は自立して学習する従業員に必要な「インフォーマルラーニング」について説明します。

インフォーマルラーニングとは?学習機会を増やすために

インフォーマルラーニングとは「仕事、家庭生活、余暇に関連した日常の活動の結果としての学習」を指します。対義語であるフォーマルラーニングは、いわゆる学校の授業や企業内の研修など組織化されて構造化された学習を指します。

インフォーマルラーニングは生活の全ての学びが当てはまります。例えば職場で同僚や先輩にわからない業務を教えてもらう、先輩のやり方を観察することもインフォーマルラーニングのひとつです。同僚と休憩時間に仕事について話すことや、クライアントやカスタマーとの対話から新たな気づきを得ること、社内のヘルプデスクやマニュアルやナレッジの参照など、日々の何気ないものからの学びも含まれます。

知らない間に学ぶこともそうですが、自らネットで検索するなど「知りたいから知る」「学びたいことを学ぶ」のように自ら行動することもインフォーマルラーニングです。

インフォーマルラーニングを導入する企業のメリットについて

インフォーマルラーニングを企業で導入するメリットは、社員の自発的な学びを広げることができる点です。インフォーマルラーニングは、体系的に設計された学習でなく、一人ひとりの自発的な意志が学びの原動となります。職場での周囲との何げない会話から、学びたいと意図した以上の思わぬ気づきや発見が得られたりするように、インフォーマルラーニングには偶発的な効果も多く含まれます。学ぶ意識を広げ、インフォーマルラーニングの機会を充実させれば、学習効果が高まっていくでしょう。そうなると研修費や人材育成コストの削減に繋がることが予測されます。

社員同士がお互いに学び合い、教え合えるコミュニケーションの場が広がることで、社内の一体感を醸成しモチベーション向上にも影響を与えます。ナレッジのサイトにいつでも誰でもアクセスできたり、ベテランから気軽にアドバイスが得られたりする環境や仕組みが整えば、社員の自発的な学びが増え、自ら学ぶ体系が出来上がっていきます。

インフォーマルラーニングを導入する従業員のメリットについて

研修や学びの場での学習も大きな効果がありますが、そういった体系的な学びは柔軟性に欠け、一時的な学びになってしまうことも多く、現場では役に立たないと感じるものも多く存在していました。インフォーマルラーニングは業務の場で触れるもの全てが学びとなるため、業務に直結し仕事で活きるものばかりであり実用的です。学びが無駄にならず業務に役立つことは従業員にとってメリットといえるでしょう。

職場で学びあう環境が整っていれば、わからないことも瞬時に解決したり、日々の業務から新しい気づきを得ることができ、自己の成長に繋げることもできるでしょう。

普段の生活から学びを得ることができるインフォーマルラーニング

インフォーマルラーニングとは、非公式な学習の意味で、教育研修ではない業務中や普段の生活で学びを得る自主的な学習のことです。

インフォーマルラーニングによる学びは教育研修以上の効果があり、社員個人や社員同士がインフォーマルラーニングをすすめるための仕組みづくりが重要となるでしょう。

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