コラボインターンシップとは?新しい母集団形成の形を活用する

人材獲得競争に勝つ新たな母集団形成手段とは

少子高齢化により、労働力人口の減少が叫ばれる昨今、企業の人材獲得競争は激化しています。より多くの優秀な人材を獲得する上では、企業の採用活動における母集団形成は重要な役割を担っているとともに、課題となっています。

母集団形成には様々な手段があり、各企業工夫を凝らし取り組んでいますが、その中でもインターンシップを活用しての母集団形成に力を入れている企業が増えています。株式会社ディスコの調査結果によると、学生のインターンシップ参加率と企業のインターンシップ実施率は毎年増加傾向にあることが分かります。およそ8割を超える企業がインターンシップを実施している現状から、多くの学生の興味をひきつけ、自社のインターンシップに参加してもらうためには、他社との差別化を明確にし、自社の魅力をアピールする必要があります。

学生のインターンシップ参加率
出典元『株式会社ディスコ キャリタスリサーチ』インターンシップに関する調査

そんな中、コラボインターンシップという他業種同士が合同で行うインターシップの新たな手法が注目を集めています。今回はコラボインターンシップについて紹介します。

出会いの可能性を広げるコラボインターンシップ

コラボインターンシップとは、通常のインターンシップとは違い、異業種の企業同士が合同で行うインターンシップの新たな形態を指します。

従来のインターンシップと言えば、基本一つの企業が単独で行う形態が一般的です。しかし労働人口減少による「売り手市場」が続く中、一般的なインターンシップでは学生の注目や興味を換気させるには限界があります。同業他社との競合を避けながら異業種企業と連携することで、業界や業種が絞りきれていない学生や他業種にも興味関心のある学生に対して、自社の認知を拡大させられます。多くの学生に対して幅広くアプローチしながら、多種多様な母集団を形成することができるコラボインターンシップが注目を集めています。

コラボインターンシップを活用するメリットとしては、企業としては多種多様な幅広い層の学生に対して一度にアピールできることが挙げられます。自社だけの認知だけでは集められないような参加人数を他社とコラボすることにより、集めることができるといったメリットがあります。参加する学生にとっても、一度に複数の企業や業界の仕事を体験できることにより就職活動を効率的に行うことができるというメリットがあります。

コラボインターンシップを実施し成功させるためには、コラボする企業の選定が大変重要になります。コラボする企業の選定基準としては自社と商品やサービスなどが被る同業他社は避けましょう。コラボする企業の中には、最低でも1社はある程度学生を集められる認知度と規模の企業を入れる必要があります。中小企業同士がコラボし実施しても、結果的に学生が集められずあまり意味のない結果になる可能性がありますので注意しましょう。

具体的なコラボインターンシップの事例としては、ネスレ日本と工作機械大手のDMG森精機が挙げられます。ネスレ日本は日本有数のグローバル企業ですが、その反面技術系の人材を募集している印象が低く母集団形成に苦戦していました。DMG森精機では、今後の海外事業展開に向けて海外勤務を希望する学生に対してアプローチしたいという背景があり、そのニーズがグローバル企業であるネスレ日本に興味関心のある学生とマッチしていたため、コラボすることでお互いにメリットがあるコラボインターンシップが実現しました。

新たな母集団形成を開拓することが人材獲得の可能性につながります

コラボインターンシップは、直接競合しない企業同士が連携し合同で行う事により、より多くの学生にアプローチする新たなインターンシップの形です。

実施する企業側には、従来の単独企業によるインターンシップよりも多くの幅広い学生に対してアピールすることができるメリットがあります。学生にとっても、一度に複数の企業や業界を経験することができるため、効率的に就職活動をすすめることができるのが魅力となります。

母集団形成に限界を感じていたり、従来の自社イメージから認知度が低い職種の採用を強化したいと考えている場合には、今後コラボインターンシップを導入してみる価値は十分にあると考えれられます。新たな母集団形成の発見や出会いが広がる可能性も十分に期待できます。

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