キャリブレーションスキル向上のトレーニング方法とは?

高まるキャリブレーションの必要性

人材採用の難易度が上がっている昨今、職場の生産性の向上や離職率を下げることがとても重要になっています。職場環境の整備は何も会社が制度を導入するだけでしかできないというわけでもありません。従業員1人ひとりのホスピタリティを引き上げることで、働きやすい環境づくりを作ることは可能です。

そこで大切なのが「相手の気持ちに気づく」ことです。

産業能率大学の調査によれば、新入社員と先輩社員の男性の調査では「関係者を調整することが得意」や「相手の言動から状況を察知できる」が先輩社員になればなるほど割合が増加しているという結果が報告されています。

仕事センスの捉え方が変化
出典元『産業能率大学』仕事センスに対する意識調査

中小企業診断士事務所OFFICE AIRの調査においても、尊敬できる上司に求めるものとして「責任感が強い」や「部下を守る気持ちがある」が年齢の上昇とともに回答数も増加しているという報告があり、対人関係処理能力の重要性は経験を重ねるごとに重要であるという認識が芽生えてくるという解釈も可能です。

年齢別回答比較 折れ線グラフ
出典元『中小企業診断士事務所 OFFICE AIR』「尊敬できる上司」についてのアンケート結果レポート

この記事では、相手の気持ちに気づくスキルである「キャリブレーション」に注目し、実践する方法、スキル向上のポイントを紹介します。

キャリブレーションとは「先入観を捨てる」ことから始まる

キャリブレーションとは「調整」という意味の言葉ですが、心理学においては「相手の顔色・表情・姿勢などの非言語的情報から感情を読み取る」というスキルを意味します。

重要なのは「先入観を捨てること」です。

「この人はいま機嫌が良いに違いない」と感じても、まずはそうした主観的判断を脇に置いて、相手の様子を客観的に観察するようにしましょう。言葉は肯定的でも、眉間に皺がよっていたり、表情がぎこちなかったりなどを詳細に見てみると、実はこちらに合わせてくれているだけで、本心は違う考えを持っているという可能性もあります。

相手の気持ちに気づくには、言葉と身体の不一致を見過ごさないことが大切です。

キャリブレーションのトレーニング方法について

キャリブレーションでは「先入観を捨てる」ことを覚える必要があります。まず以下のようなトレーニングをすることで感覚を実際に掴むことが可能です。

簡単に言えば、これは二人一組になって相手のことをじっと観察するだけのことです。そのとき、まず「好きな人」のことを思い浮かべながら、その後に「嫌いな人」を思い浮かべながら相手を観察します。

すると、少し相手の印象が変わって見えることがあります。これは先入観によって観察ポイントや身振りや表情の解釈が変わってしまったりするから起こることです。先入観によるブレをなくすため、先入観をできるだけ排除したフラットな観察が必要なのです。

キャリブレーションの実践方法について

キャリブレーションではまず相手の言葉を言葉の通り受け入れ、良い悪いという印象をいったん脇に置いて、客観的に観察することが大切です。「何も考えないようにする」という姿勢が好ましいとも言えます。

相手とのコミュニケーションでは、沈黙を恐れないことが大切です。キャリブレーションは非言語的な情報を読み取る技術なので、こちらが沈黙を気まずく感じてしまうと、相手に不必要な気を使わせることにもなってしまいます。沈黙でもよいのですが、相手のことをしっかり見ている、話をちゃんと聞いているというスタンスを示すようにしましょう。

キャリブレーションスキルを向上させるならば、感じたことやふと思ったことをきっちり覚えておくことも重要です。断片的にでもメモに残しておき、のちに読み返すことで、接し方の是非を検討することができます。

何よりも大切なのが、相手に感謝をすることです。こちらに言葉を尽くしてくれたこと、コミュニケーションをしようと向き合ってくれたことに感謝を示すことで、相手との信頼関係を深めていくことができます。

キャリブレーションは汎用性が高い

キャリブレーションとは、相手の表情や行動から、相手の状態を読み取るスキルです。相手の気持ちを察するこのスキルを身につけることで得られるメリットは社内コミュニケーションの活性化だけではありません。マネジメントや営業など、様々なビジネスシーンでの活用が期待できます。キャリブレーションは職場環境の改善、生産性の向上に欠かせないものと言えるでしょう。

キャリブレーションは普段のビジネスシーンなどで実践することも可能です。常日頃から注意すべきポイントについて教育することで継続的な成長が見込めますので、社員のコミュニケーション能力を戦略的に向上させる方法として、キャリブレーションに特化した教育研修を行うことも有効です。

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