面接で見極めるべき要素とは?評価項目・評価基準の設計方法について

目次

面接はほぼ全ての企業が採用活動として実施している

採用業務における課題は数多くありますが、まず行わなくてはならないのが採用プロセスの整備です。会社説明会や書類選考、面接など、採用活動には大きな人的コスト(マンパワー)がかかるため、採用までのフローを最適化する必要があります。

採用フローを最適化するために知っておくべきこととして「選考開始から内々定までにかかる工程の相場」が挙げられます。採用活動にかかるコストのどこがどれだけ削減できて、どれを削るべきではないのかを整理することで、採用プロセスをすっきりさせることができます。

リクルートキャリア「就職白書2019」によると、採用活動として「面接」を行なっている企業は99%であると記されています。ほぼ全ての企業が実施していることから、面接は採用プロセスの中でも特に重要なプロセスだということが分かります。

採用プロセス毎の実施率
出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査によると、採用における平均選考回数は2.7回であり、一次選考から内々定までには約1ヶ月を要するという報告がされています。

選考回数
出典元『マイナビ』2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

以上のデータから、一般的な採用計画では1ヶ月で3回の面接を行い、3回の面接の中で応募者の見極めを行うという大枠があることが分かります。

面接の目的は「見極め」と「口説き」の2つ!

採用面接において「応募者をどのように見極めるか」という課題は非常に重要です。

経団連の調査によると、選考時に重視する要素は「コミュニケーション能力」が約20年もの間1位をキープしており、8割以上の企業が応募者のコミュニケーション能力の見極めを面接の目的としていることが分かります。

「選考時に重視する要素」の上位5項目の推移
出典元『経団連』2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果

コミュニケーション能力を重視する上で注意したいのは、あくまでも「企業側の視点」であるということです。採用担当者が応募者を見極めを行っているのと同時に、応募者も企業の見極めを行なっています。新卒採用市場を見ると、求職者1人あたりおよそ20社にエントリーシートを提出し、およそ2社の内定を貰うというのが相場となっています。

1人あたりの平均値
出典元『マイナビ』2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

Re就活の調査では、面接時に「入社したくない」と感じたことがある求職者は7割を超えています。人材の見極めだけだけでなく、口説きも有効に行わなければ、採用したい人材からの選考辞退・内定辞退などを引き起こす可能性もあります。

面接時に「入社したくない」と感じたことはありますか?
出典元『Re就活』「面接で志望度が下がる瞬間」について

志望度が下がる瞬間として「面接官の態度・話を聞く姿勢が悪かった時」「圧迫面接を受けた時」「受付・一般社員の対応が悪かった時」などの不誠実な対応が挙げられているだけでなく、「面接官の性格が合わなかった時」も上位の理由として挙げられています。将来社員となりうるだけでなく、顧客ともなる可能性のある応募者に対して誠実な対応を心がけるだけでなく、複数の面接官がいる場合には、応募者の性格にあった面接官を選定することも効果的です。

面接時に志望度が下がってしまう瞬間は何ですか?
出典元『Re就活』「面接で志望度が下がる瞬間」について

せっかくいい人材を見つけても、面接でマズイ対応をして内定を辞退されてしまっては、企業にとってコストの面でも人材獲得の面でも非常に大きな損失です。企業側が内定を出しても辞退の可能性が十分にある以上、誤った面接を行わないことは前提として「求職者を口説く」ことも重要になります。

3回の面接で見極めるべき要素とは?

「採用面接は平均して約3回」という相場があると述べましたが、採用戦略を立てる上では「3回の面接をどう使うか」を考えることが大切です。

3回の面接の使い方の一般的な例をまとめると、以下のようになります。

  • 1次面接:人事担当者・採用担当者による「コミュニケーションスキル」や「入社意欲」などの求職者自体の見極め(スキルフィット)
  • 2次面接:現場社員を加えて「職場環境や会社で活躍できるか」という求職者と部署との相性の見極め(部署とのカルチャーフィット)
  • 3次面接:役員を加えて「一緒に働きたいと思う人物か」という求職者の価値観と会社全体の理念との相性(会社全体とのカルチャーフィット)

3回の面接では「徐々に抽象度の高い要素に踏み込んでいくこと」と「能力から人柄に視点を移していくこと」が基本です。必ずしも上記の順番で行うべきというわけではありませんが、採用においてどんなことを重視するか、企業の価値観や採用目的に合わせて適宜変更を加えて「自社独自の採用プロセス」を考案することが大切です。

効果的な面接を行うためには、自社独自の採用プロセスを考案した上で、どのようなスキルを見極めるのか、どのような性格・価値観やコンピテンシーを見極めるのかなどを、採用要件定義から具体的に落とし込むことが重要です。

面接での評価項目・評価基準の設計方法とは?

面接の目的は「書類選考では分からない要素」を評価することです。応募者の人柄や価値観、コミュニケーション能力などの定性的な要素は、面接官のフィーリングに任せすぎると評価にバラツキが出てしまう危険があります。求職者を客観的に見極めるためには、具体性の高い評価項目・評価基準を設計することが大切です。

評価項目や評価基準を具体的にするための方法としては「抽象概念を具体的なスキルに落とし込む」という方法が挙げられます。

面接による求職者の見極めで重要な要素である「コミュニケーション能力」は、抽象性の高い概念であるため、そのままでは客観的な評価が困難です。しかし、コミュニケーション能力を「傾聴力」や「アサーション」などのスキルに細分化することで、客観的な評価が可能になります。

各評価項目を判断するための細分化ができたら、評価項目の優先順位をつけてみましょう。面接の時間は限られているため、重要な項目ほど具体化や優先順位を細かく設定することで、採用フローの効率化につながります。

構造化面接による面接手法の統一

面接をより客観的・効率的に行うための方法として、Googleが採用している「構造化面接」という面接手法があります。

構造化面接とは、臨床心理学におけるアプローチの1つで「あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに実施していく」という面接手法です。面接結果が属人化せず、統一感のある採用選考が可能になる効果が期待できます。

構造化面接による面接手法の統一を検討する際に利用価値が高いのが「適性検査」などの既存ツールです。適性検査を事前に応募者全員に受けてもらうことで、応募者の価値観と会社の社風との距離を面接前に見極めることができます。

面接の手法を統一することで、面接で「見極め」ばかりに気をとられる心配がなくなります。面接の目的は「見極め」だけでなく「口説き」もありますので、面接の場で応募者の価値観や考え方を理解した上で、自社だからできることなどの他社との差別化要因を説明できるようになります。

面接では求職者はもちろんのこと、面接官も緊張します。書類選考や適性検査によって事前に求職者の人物像を把握しておけば、面接の効率化だけでなく面接官の緊張をやわらげることができ、求職者を「口説き」やすくなることにもつながります。

mitsucari

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
4,400社が導入し、309,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。

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