びっくり退職を防ぐ4つの対策!突然辞める理由も解説
辞めると思っていなかった従業員から突然退職願を出されて、驚いた経験をおもちの人事担当者や経営者は少なくないでしょう。特に、優秀な人材や戦力となる中堅社員の退職は、組織全体の生産性やモチベーションの低下を招き、申告な影響を及ぼします。
そのため「びっくり退職が起きる原因を知りたい」「びっくり退職を防ぐ対策を知りたい」と思って、この記事に辿りついた方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな悩みを抱える人事担当者や経営者のために、びっくり退職の基礎知識から、原因や防止策などを、HRTechツールの提供で離職問題や従業員エンゲージメントを改善してきたミツカリが解説します。
この記事を読むことで、びっくり退職の原因を理解し、自社で適切な防止策を講じるためのきっかけを得ることができます。ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
目次
びっくり退職とは?
『びっくり退職』とは、辞める兆候を見せていなかった従業員が、突然退職を申し出ることを指します。従業員が日頃から会社への不満を口にしたり、急に欠勤が増えたりした場合には、退職のアラートに気づきやすいものです。
しかし、びっくり退職の場合、以下のような優秀な人材が突然退職を決めるため、人事担当者や経営者にとっては大きな驚きとなります。
- 日ごろから精力的に働いている
- 自己研鑽に励んでいる
- 社内のプロジェクトにも積極参加している
引用元『東洋経済』若手の「びっくり退職」に上司が気がつけない事情
仕事に対する意欲が高く、職場での評価も高い従業員が退職すると、生産性の低下や他の従業員の士気を下げるなど、組織全体に悪影響を及ぼします。また、優秀な従業員に代わる人材をすぐに採用することも容易ではないため、企業にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
びっくり退職の問題を解決するためにも、なぜびっくり退職が起こるのか原因を把握し、従業員が長く働き続けられるような環境を整備する対策が重要になってきます。
4人に1人以上がびっくり退職予備軍!?
従業員の内面に潜む不安や不満を見逃すことが、びっくり退職のリスクをさらに高めます。
リクルートの調査によると、上司から高評価を受けているにもかかわらず、「ワークメンタリティ」に不調を感じている従業員が全体の26%、つまり4人に1人以上がびっくり退職予備軍である可能性が示されています。
出典元『リクルート』上司評価とワークメンタリティに関する実態調査
上司の評価が部下に適切に伝わっていない、または評価が伝わっていても部下(従業員)が納得できずに悩んでいる可能性があります。その結果、より適切な評価や自分の能力を発揮できる職場環境を求めて、前触れもなく急に辞める選択をしてしまうことが考えられます。
部下(従業員)に対して評価が適切に伝わるように、評価している内容を具体的に伝えることや、日頃から1on1を実施して現状を把握することが、びっくり退職を防ぐために重要といえるでしょう。
優秀な人材がびっくり退職する要因
優秀な人材が突然の退職を選んだ場合、具体的な退職理由を伝えないまま去ることも少なくありません。それでは、どのようなことが要因が優秀な人材をびっくり退職に導くのでしょうか。
株式会社シフィットの調査によると、優秀な人が会社を辞める理由の第1位は「待遇面に不満を感じる」、第2位は「今の仕事にやりがいを感じられない」、第3位は「会社・事業に将来性がない」という結果が出ています。
ここでは上記の調査結果をもとに、優秀な人材がびっくり退職を決断する理由を4つ解説します。
評価や待遇への不満
「適切に評価されていない」「給与や賞与が低い」と感じると、優秀な人材は静かに退職の準備を進めて、突然会社を去ることがあります。
優秀な人材は、ある程度自身のスキルや実績をよく理解しているため、自己評価と会社の評価にギャップがあると不満を感じやすくなります。その結果、より適切に評価され、自身の能力を発揮できる環境を求めて転職を考えます。
評価は昇給額や賞与に直結するため、納得感のある評価項目を設け、上司が評価結果を具体的に説明できるようにすることが、びっくり退職を防ぐ鍵となるでしょう。
キャリアへの不安
優秀な人材は、今の仕事にやりがいを感じないなど、キャリアへの不安を抱くと退職を選ぶ傾向があります。
具体的には将来のキャリアパスが不透明だったり、昇進の機会が限られていたりと、自分の成長が停滞していると感じやりがいを見失います。その結果、自身の成長をサポートしてくれる環境や、挑戦したいポストや役職が用意されている組織を求めて転職を考えるようになります。
仕事へのやりがいの欠如は、会社に長く留まる意欲を大きく削ぐ要因となるため、びっくり退職の引き金となり得るといえるでしょう。
企業理念やビジョンに共感できなくなった
優秀な人材は、企業理念やビジョンに対する共感がなくなると退職を検討し始めます。具体的には企業の方向性が不透明であったり、従業員の価値観や目標とずれてきたりすると、会社に将来性を感じられなくなります。
優秀な人材は、特に自分の仕事が企業全体の成功にどう貢献しているかを強く意識しています。そのため、将来性が見えなくなったり、共感が失われたりした瞬間に退職を考えることが多くなります。
他社からのヘッドハンティング
他社からのヘッドハンティングも優秀な人材が会社を辞める要因の一つです。優秀な人材は常に市場から注目されています。
特に現職に不満を感じている場合、他社からのオファーはより魅力的に映ります。具体的には新しい挑戦(新規事業など)や高待遇を提示されると、現職に留まる理由が薄れ、転職を決断することが多くなります。
転職活動は静かに進めているケースが多いため、他社からのヘッドハンティングが要因の場合、企業側での防止策には限界があることも理解しておきましょう。
真面目な人がびっくり退職する理由
真面目な人は、与えられた業務を誠実にこなすため、会社や社内のメンバーからも信頼される存在です。しかし、そんな真面目な人が急に退職するケースも少なくありません。では、一体どのような要因で退職を決断するのでしょうか。
ここでは、真面目な人材がびっくり退職を選択すると考えられる理由を3つ解説します。
過度な業務とプレッシャー
真面目な人ほど、責任感をもって与えられた業務を遂行します。しかし、頼まれた仕事を断れず、業務を引き受けることで無意識のうちに業務が過重になってしまうことがあります。
上司や同僚からの信頼が高まる一方で、休む間もなく働き続けることになります。その結果、心身の疲労が限界に達し、突然退職を選ぶことがあります。
完璧主義でストレスを抱える
真面目な人は、仕事を完璧にこなそうとする傾向があり、この完璧主義が原因でストレスを抱えることになります。具体的には「細部にこだわりすぎる」「自己評価を厳しくしすぎる」などです。
たとえ小さなミスであっても、真面目な人にとっては大きな失敗と感じ、自己嫌悪に陥ることが少なくありません。小さなストレスが積み重なることで、限界を感じ、急に退職を決断する可能性が高まります。
我慢して爆発する
真面目な人は命じられたことに従順で、周囲に迷惑をかけたくないという思いから我慢を重ねる傾向があります。具体的には「人からお願いされた仕事を断れない」「NOを強く言えない」「遠慮して自分の意見が言いづらい」などです。
表面的には真面目に仕事をこなしていても、内心はストレスが蓄積していき、最終的に感情が爆発してしまうことがあります。このように、普段は何も言わずに働いていた真面目な人が、突然すべてを投げ出して急に退職するというケースはまさに「びっくり退職」の典型です。
真面目な人も自己主張するべきという課題もありますが、心情を察してあげられなかった会社側にも原因があります。真面目さも一つの個性として大切にするとともに、ストレスにならないように上司や会社側が業務配分の調整や、1on1を実施して適切なサポートを行い、退職のリスクを低減しましょう。
びっくり退職を防ぐための対策4選
びっくり退職は、企業にとって大きな損失となります。特に優秀な人材や真面目な人材が急に退職すると、予期せぬ人員不足や業務の停滞を招きかねません。
びっくり退職を未然に防ぐためには、従業員が抱える問題や不満を早期に察知し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、びっくり退職を防ぐための具体的な対策を4つご紹介します。
定期的な1on1の実施
定期的な1on1を実施することで、従業員の不安や悩みを早期に把握できます。なにか悩みがあった際に早期にサポートができるため、びっくり退職を防ぐ効果が期待できます。
1on1では業務の進捗状況だけでなく、個人のキャリア目標やプライベートな悩みなど、幅広く話題を取り上げて部下を深く理解することが重要です。定期的対話を通じることで、信頼関係を築き突然の退職を防ぐことができます。
ただし、1on1で「悩みとかない?」と聞いても警戒される可能性もあるため、日頃からコミュニケーションを取り、相談しやすい関係や環境を構築しておくことも重要です。
キャリア開発や研修の実施
従業員が自身のキャリアに対して、会社から適切にサポートされていると感じると、退職を考える機会が少なくなるでしょう。具体的には「必要なスキルなどの研修」や「キャリアパスが明確に示されている」ことです。
特に優秀な人材は仕事に対してやりがいを求める傾向が強いため、定期的な研修やキャリア開発の機会を提供することが重要です。従業員が自身の成長を実感できるようになれば、長期的に会社に貢献したいという意欲が高まり、びっくり退職のリスクを低減することができます。
隠れ残業などの把握
部下が上司に報告せずに黙々と残業を続ける「隠れ残業」は、心身の疲労が蓄積し、突然の退職につながるリスクを高めます。
特に、自分のプライベートの時間を削りながら頑張っているのにも関わらず、上司から適切に評価されてなかったり、さらなる努力を求められたりすると、部下は「上司は自分の努力を見ていない」と感じ不信感を抱くことがあります。
企業としても従業員の勤務時間を正確に把握し、必要であれば適切な業務調整を行いましょう。また、周囲の従業員に確認を行いながら、隠れ残業の有無をチェックして、定期的に業務量の見直しや、無理のない範囲で働ける環境を整えることもびっくり退職の防止に有効です。
ツールなどで従業員の状態を把握する
外部ツールなどを活用して、表には見えない従業員の隠れた感情を可視化することもびっくり退職の対策として効果的です。
最近では、エンゲージメントサーベイやストレスチェックツールなど、さまざまなツールが登場しています。ツールを活用することで、従業員の隠れた悩みや不満を早期にキャッチし、適切な対応を行うことが可能です。
ツールの選定にあたっては、従業員への負担が少なく、かつ自社の課題を可視化できるものを選ぶことが重要です。適切なツールの活用によって、従業員が抱える問題を早期に把握し、びっくり退職の防止に役立てましょう。
びっくり退職の早期発見をサポートするHRTechツール
弊社ミツカリでは、従業員の隠れた感情を数値で可視化し、びっくり退職の早期発見をサポートするHRTechツール「ミツカリエンゲージメント」を提供しています。
びっくり退職を早期発見するための代表的な機能を3つ紹介します。
約1分で5つの要素を可視化
ミツカリエンゲージメントは、7問約1分で「職務適正(仕事への負荷・やりがい)」「報酬」「人間関係」「エンゲージメント(会社への愛着・信頼度)」「コミュニケーション」の5つの要素を数値で可視化します。
びっくり退職の要因となりやすく、普段見逃されがちな「人間関係」「報酬」「職務適正(仕事への負荷・やりがい)」についても、しっかりと計測できるため、問題が深刻化する前に対応が可能です。
個人や部署・チームごとに分析可能
会社全体の状態も把握できますが、タグ機能を活用することで「部署」「プロジェクトチーム」「役職別」などにグルーピングして、計測と分析が可能です。
「特定の部署またはチームでびっくり退職が発生している」「優秀な人材(活躍者)のびっくり退職を防ぐために状態を把握したい」など、詳細に分析したいという場合にぴったりの機能です。
定期的な実施で前回との変化を可視化
1ヶ月に1回など定期的に実施することで、前回との変化をグラフなどで可視化できます。
前回よりも数値が下がった項目を分析することで、従業員がどんなことを悩み、不満を抱いているのかを早期に発見することが可能です。
まとめ
びっくり退職は、企業にとって大きな損失となるだけでなく、職場全体の士気や業務効率にも悪影響を及ぼします。びっくり退職が起こる背景には「従業員が感じるストレス」「評価や待遇への不満」などの要因が存在するため、企業側は問題を早期に察知して対策を講じる必要があります。
とはいえ、会社の課題や従業員の現状を把握していないと適切な対策を打ち出すことができず、びっくり退職の兆候を見逃してしまう可能性があります。
会社の課題を把握するためには社内アンケートの実施も有効ですが、準備や分析に多くの工数がかかるため、効率化を図るためにも、エンゲージメントサーベイなどの外部ツールを活用すると良いでしょう。
「ミツカリエンゲージメント」は、7問約1分で従業員の「人間関係」「職務適正(業務への満足度)」「報酬」「コミュニケーション」「従業員エンゲージメント(会社への信頼度)」を数値で可視化できます。数値が低い項目を分析することで、社内の課題や個々の従業員の不満を把握できるため、びっくり退職の防止につながります。
現在、無料トライアルも実施中ですので、気になる方はぜひ資料をご覧ください。
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