エンゲージメントサーベイの代表的な質問項目と運用ポイントとは
エンゲージメントサーベイを導入する際、自社に適した質問項目・形式のサーベイを選ぶことで、組織課題の明確化や離職率低下といった問題の解決につながります。しかし、次のような悩みを抱える人事担当者や経営者は多いのではないでしょうか?
- エンゲージメントサーベイの質問項目について理解して導入の判断をしたい
- 固定質問とカスタマイズ質問の特徴や運用のコツを事前に理解したい
この記事では、エンゲージメントサーベイの代表的な質問項目を紹介し、固定質問とカスタマイズ質問の違いやどんな企業に適しているかなどを、HRTechツールで従業員エンゲージメントの向上や離職の課題を解決してきた『ミツカリ』が解説します。
この記事を読むことで、エンゲージメントサーベイの質問項目や形式に関する理解を深め、自社に最適なエンゲージメントサーベイを選べるようになります。エンゲージメントサーベイの質問項目や形式について迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
エンゲージメントサーベイについて詳しく理解したい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
目次
エンゲージメントサーベイの代表的な質問項目
エンゲージメントサーベイの質問項目は、「仕事へのやりがい」や「待遇」「人間関係」などに関するものが多いです。とはいえ、実際にどんな質問項目に回答していくのか気になると思います。
ここでは、ギャラップ社のエンゲージメントサーベイQ12(キュー・トゥエルブ)と経済産業省が公開している質問項目例を紹介します。
Q12(キュートゥエルブ)
『Q12(キュー・トゥエルブ)』は、アメリカの調査会社ギャラップ社が研究によって考えた、従業員のエンゲージメントや幸福度を測定する方法論です。具体的な質問項目を以下に記載いたします。
- 私は仕事で自分に何を期待されているか知っています?
- 仕事を正しく行うために十分な環境や設備がありますか?
- 仕事で自分の成果を出すための機会がありますか?
- 過去7日間で、成果に関する評価や賞賛を得られましたか?
- 職場の上司や同僚は、あなたを気にかけてくれていると感じますか?
- 職場にあなたの成長を応援サポートしてくれる方はいますか?
- 自分の意見が尊重されていると感じますか?
- 会社の使命や目的は、あなたの仕事にやりがいを与えてくれていると感じていますか?
- 会社の同僚は、質の高い仕事をすることに尽力していると感じますか?
- あなたは職場に相談できる方または信頼できる方がいますか?
- 過去6か月間で、職場の誰かと仕事の進歩について話したり相談したりしましたか?
- 昨年、あなたは仕事で成長を実感しましたか?
参考元『GALLUP』従業員エンゲージメントの責任者は誰ですか
「職場の上司や同僚は、あなたを気にかけてくれていると感じますか?」は人間関係、「昨年、あなたは仕事で成長を実感しましたか?」はワークエンゲージメントを表すなど、多様な質問が含まれていることがわかります。
経済産業省
経済産業省が主催した「経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会」の資料にエンゲージメントサーベイで代表的な質問項目例が5つ記載されています。具体的な内容は以下の通りです。
- 私は、自分の会社全体としての目的・目標・戦略をよく理解できている
- 経営陣は、事業の方向性について健全な意思 決定をしている
- 自分の会社はよい職場だと他の人にも勧めたい
- 自分の会社で働くことに誇りをもっている
- 自分の仕事について、給与や福利厚生など公正に報酬を得ていると思う
「自分の会社はよい職場だと他の人にも勧めたい」はエンゲージメント、「自分の仕事について、給与や福利厚生など公正に報酬を得ていると思う」は報酬・待遇面を測定すると予想できます。
これは代表的な質問項目例で、実際の質問項目は導入するエンゲージメントサーベイによって異なります。そのため、自社の課題を可視化する項目を計測できるサーベイを選びましょう。
固定質問とカスタマイズ質問の特徴を比較
エンゲージメントサーベイを実施する際、質問項目の形式には「固定質問」と「カスタマイズ質問」の2つの選択肢があります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自社のニーズや目的に応じて適切な形式を選択して実施する必要があります。
ここでは、エンゲージメントサーベイの固定質問・カスタマイズ質問の特徴を比較し、それぞれどのような企業に向いているかを解説します。
固定質問の特徴
固定質問は、多くのエンゲージメントサーベイで提供されている質問形式です。
サーベイツールを開発した企業が予め質問項目を設計しているため、導入した企業はそのままの質問項目で「従業員エンゲージメント」や「人間関係」「報酬などの待遇面」などを計測できることが特徴です。
固定質問のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 準備の工数を削減できるため、定期的かつ迅速にサーベイを実施できる
- 質問項目の選定に悩む必要がない
- 同じ質問で測定できるので、一貫性のあるデータを取得しやすい
デメリット
- 質問項目(抽出できる項目)が自社の課題に合わない可能性がある
- 調査が画一的になり、従業員が慣れてしまうことで回答の正確性が下がる場合がある
カスタマイズ質問の特徴
カスタマイズ質問は、企業のニーズや特定の課題に応じて質問項目を設定できる方式です。柔軟性が高いため、より自社のニーズに沿ったデータを収集できることが特徴です。
ただし、すべてのエンゲージメントサーベイでカスタマイズ機能が装備されていないため、導入前に確認しましょう。
カスタマイズ質問のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 自社の課題に応じた質問項目を設計できる
- 自社の現状や目標に沿った内容を反映し、従業員のニーズや意見を計測しやすくなる
デメリット
- 質問項目の設計にコストと時間がかかる
- 自社にノウハウがないと適切なデータを抽出できない可能性がある
- 質問項目を変更しすぎると一貫性がなくなり、過去データとの比較が難しくなる可能性がある
どちらが自社に最適か?
どちらの質問形式が自社に最適かは、自社の目的や現状の課題によって左右されます。ここでは「固定質問」と「カスタマイズ質問」がどのような企業に向いているか具体例を紹介します。
固定質問が適している企業
固定質問が向いている企業は以下の通りです。
- 初めてエンゲージメントサーベイを導入する企業
- 質問項目の設計に時間をかけたくない企業:すでに確立された質問項目があるため、リソースの限られている企業でも実施しやすい
- 迅速に自社の現状を把握したい企業:導入後、すぐに従業員の現状を把握できます
カスタマイズ質問が向いている企業
- 質問設計の知見やリソースがある企業:質問項目を精緻に設計するノウハウやリソースがある企業なら、課題に応じた質問設定が可能です
- 特定の課題をもつ企業:例えば、人間関係や業務効率など特定の課題があり、より深く調査したい企業
定期的に実施して、データの一貫性を保ちながら長期的に従業員の状態を分析したい場合は固定質問でが適しています。
一方で、特定の課題に深く踏み込んで対応したい場合は、カスタマイズ質問をサーベイ(調査)に取り入れることで、より精緻なデータを収集できるでしょう。
導入するエンゲージメントサーベイによっては「固定質問」と「カスタマイズ質問」を組み合わせて使用することも可能です。
例えば、基本的なエンゲージメント状況を把握するために固定質問を活用し、特定の課題については追加のカスタマイズ質問で深掘りをすることで、自社の目的に応じたデータを得ることができます。
エンゲージメントサーベイの選び方と運用のポイント
エンゲージメントサーベイを効果的に運用するためには、適切な質問項目の設計と選び方が重要です。
ここでは、エンゲージメントサーベイの質問設計のポイントと、サーベイを選ぶ際の留意点を解説します。
従業員の負担にならない質問数を選ぶ
エンゲージメントサーベイを選ぶ際は、従業員の負担をかけない質問項目数かを考慮して選びましょう。エンゲージメントサーベイの質問数が多すぎると、従業員にとって負担になり、回答率が低下する可能性があります。
そのため、質問項目の数を絞りつつ、少ない質問でも重要な指標をカバーできるサーベイを選びましょう。
自社の課題に沿った項目が計測できるかで選ぶ
エンゲージメントサーベイを選ぶ際は、自社の課題・目的に沿った項目を計測できるかも注目しましょう。
例えば、離職率が高い課題がある場合は、離職の要因となる「報酬などの待遇」「職場の人間関係」などを把握できる項目が計測できるかを確認すると良いです。
自社の課題に沿った項目が計測できれば、より具体的な改善策を導き出すことが可能となります。
質問はシンプルでわかりやすい内容を選ぶ
エンゲージメントサーベイを選ぶ際は、シンプルでわかりやすい質問項目であるかを確認しましょう。
質問文が複雑だったり、難解な表現だったりすると、従業員が意図を理解できず、正確な回答が得られない可能性があります。わかりやすい質問内容にすることで、回答の質を向上させ、信頼性の高いデータを収集することにつながります。
特に自社でカスタマイズした質問項目を活用する場合は、専門用語や長文を避け、従業員が簡潔に理解しやすい言葉を使うことが効果的です。
サーベイを定期的に実施する
エンゲージメントサーベイは、1回ではなく定期的に実施すると良いでしょう。例えば1ヶ月に1回や四半期に1回などの頻度で行うことで、従業員のモチベーションや感情の変化をタイムリーに把握できます。
定期的な実施により、組織全体や従業員の現状を把握できるため、早期に適切な改善策を講じることが可能になり、エンゲージメントや定着率の向上につながります。
約1分で従業員の現状を可視化する『ミツカリエンゲージメント』
弊社ミツカリでは、離職・休職傾向の早期発見や一人ひとりがイキイキと働けているかを可視化するエンゲージメントサーベイ『ミツカリエンゲージメント』を提供しています。
ここでは代表的な機能を3つ紹介します。
直感的に回答できる質問項目
『ミツカリエンゲージメント』は、会社や自分に関する7問の質問に回答いただくことで、仕事中には見えない従業員の感情や悩みを約1分で計測できます。
6つの選択肢から直感的に回答できるので、従業員への負担が限りなく少ないです。また、質問項目は固定のため、人事担当者などの準備工数も大幅に削減できます。
離職の要因となる5つの要素を可視化
7問約1分で、離職の要因になる「従業員エンゲージメント」「報酬」「人間関係」「職務適性」「コミュニケーション」の5つの要素を可視化します。
定期的にサーベイ(調査)を実施することで、前回との差分を比較できるため、従業員の悩みのアラートを早期に発見できます。
部署・チームなどで詳細な分析が可能
『ミツカリエンゲージメント』は、従業員一人ひとりの感情を可視化できますが、タグ機能を活用することで「部署・チームごと」「新卒・中途」「役職あり・一般社員」など、グルーピングしてサーベイ(調査)の実施・分析が可能です。
前回との差分も可視化できるため、部署やチームごとの課題を把握できます。「中途採用者の離職率が高い」「特定の部署・チームのモチベーションが低いと感じる」などの課題を抱えている企業様にご利用いただいています。
他にも分析や施策立案のサポート体制も用意しているだけでなく、従業員エンゲージメントや離職の問題を解決する機能を多数搭載しています。無料トライアルも実施中ですので、気になる方はサービスサイトをご覧ください。
エンゲージメントサーベイの活用事例
弊社の『ミツカリエンゲージメント』を導入・活用して、離職問題や従業員エンゲージメントの向上に成功した企業の事例を紹介します。
一建設株式会社
戸建分譲・マンション分譲・土地分譲/請負工事など、住宅に関する事業を展開する一建設株式会社様の事例です。「課題」「ミツカリ導入の理由」「効果」の3つにわけて紹介します。
課題
全国に展開する住宅メーカーということもあり、社員は140ヵ所以上ある小規模な営業所に分散して働いています。
営業所ごとの個性が強いため、空気感に馴染めないケースや、会社から期待されていることがうまく伝わらないことで、若手の離職が多いことに課題を感じていました。
ミツカリ導入の理由
- サービスのUIがシンプルで使いやすいと感じた
- 会議で管理画面の操作を実演したところ、上層部にも伝わりやすかった
過去、約50問あるエンゲージメントサーベイを導入して実施したことがありましたが、社員への負荷が大きく分析も大変だったため、受検して終わりというやりっぱなしの状態でした。
しかし、ミツカリエンゲージメントは、7問と社員に負荷がかかりにくく、質問項目やデータ整理・分析も人事側で調整しやすい機能が多くあり選びました。
効果
短期間で辞めてしまう人が減り、定着する人が増えています。6.5年だった平均在職年数も、今では8.7年に伸びています。
また、ミツカリエンゲージメントの活用で自社のカラーを再確認できたことと、上司ごとに数値にバラつきがあり、課題もより明確になったので、人事側で新しい企画を立てるなど動きだすきっかけをつくれています。
まとめ
今回はエンゲージメントサーベイの質問項目に焦点をあてて、代表的な質問項目や固定質問とカスタマイズ質問のメリットやデメリットなどを解説しました。
「固定質問形式」と「カスタマイズ質問形式」は、どちらもメリット・デメリットがありますが、エンゲージメントサーベイを初めて導入する企業や工数を削減して実施したい企業は、固定質問形式のサーベイを選ぶと良いでしょう。
自社の課題を明確にするためには、導入するエンゲージメントサーベイで可視化したい項目が計測できるかは必ず確認しましょう。
弊社ミツカリでは、7問約1分で計測できる『ミツカリエンゲージメント』を提供しています。固定質問かつ約7問のサーベイのため、人事担当者や従業員に負荷をかけずに、定期的に実施することが可能です。
エンゲージメントサーベイ計測後の分析方法や施策立案も、弊社の担当者がサポートいたしますので、やりっぱなしの状態を防ぐことができます。無料トライアルも実施中ですので、気になる方はサービスサイトや無料の資料をご覧ください。
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