中途採用の早期離職を防ぐ!主な原因と効果的な防止策とは?
- 即戦力で迎えた中途採用者が数ヶ月で早期離職してしまう
- 中途の定着率が悪くて対策したい
中途採用に半年以上かかり、やっと入社したものの早期離職してしまっては、配属部署・チームの負担は大きいです。
当記事では、中途採用者の早期離職の現状と主な原因、そして人事・経営者が実践できる防止策をHRTechツールで中途採用者の離職課題を解決してきた『ミツカリ』が紹介します。
中途採用者の定着率を向上させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください!
目次
中途採用者の早期離職の現状
中途採用者の早期離職の現状を見てみましょう。
中途採用者も3年以内に約30%が退職する
リクルートが実施した調査によると、中途採用者の3年以内の離職率は『27.9%』という結果が出ています。
採用形態 | 3年以内の離職率 |
---|---|
中途採用者 | 27.9% |
引用元『株式会社リクルート』企業調査による人材定着率の新卒・中途比較
新卒採用者は入社3年以内に3割が離職するということが度々話題になりますが、経験豊富な中途採用者でも約30%が3年以内に離職する傾向にあります。
中途採用者の退職理由
中途採用者が退職を考える理由をランキング形式でみてみましょう。
HRpro(ProFuture株式会社)の調査によると、早期退職理由の1位が「人間関係が良くなかった」、2位が「労働時間や労働環境が悪かった」、3位が「給与が低かった」となっています。

【引用元】『HRpro』転職後1年以内の退職理由に関する調査をもとにミツカリでランキング画像を作成
中途の早期離職理由は「人間関係」や「労働環境」による不満が多い傾向にあることがわかります。
中途採用者が早期離職する主な原因
中途採用者の早期退職理由としては、「人間関係」「労働環境」「給与」など本人が感じる不満が多く挙げられます。
退職理由は本人側の表面的な理由ですが、その背景には企業側の採用や定着支援における構造的な課題が潜んでいることも少なくありません。
ここでは、中途採用者が早期に離職する原因について解説します。
本人側が感じる主な不満(表に出る本音)
本人側(中途入社者)が実際に感じている主な不満には、以下のようなものがあります。
人間関係・社風の不一致
具体的には以下のような要因が考えられます。
- 組織の雰囲気(社風)が合わない
- チームメンバーとのコミュニケーションスタイルが合わない など
人間関係によくあるパワハラを受けたというケースは、企業側の対策不足が問題です。
しかし、単純に「嫌いな人がいるから離職したい」という理由であれば、どの職場でも合わない人はいるため、本人も工夫して付き合う努力が必要です。
とはいえ「社風に合わない」「チームメンバーとのコミュニケーションがうまくいかない」といったミスマッチは、社風の明確化や適性検査を活用して相性を可視化することで、ある程度防ぐことが可能です。
評価や昇進制度への不信感
「給与や待遇」に対する不満は、評価基準の曖昧さや昇進制度の不透明さに起因しています。
同業他社と比較した自社の給与水準や、既存社員に評価基準に透明性はあるかなどを確認して見直すことが重要です。
労働環境の不満
「労働時間・労働環境の不満」も中途入社者が早期退職を考える要因の1つです。
例えば、募集要項や選考では「在宅勤務は可能」と伝えられていたにも関わらず、入社後に制度がなくなったり(そもそも在宅制度自体がない)、週1回と限定的だったりするケースがあります。
こうしたギャップは、入社直後から企業に対する不信感を生み、離職につながる可能性があります。
また、募集要項や面接で「残業はほとんどない」と説明していても、実際にはサービス残業が常態化しているケースもあります。
仕事が終わっていても定時で帰りづらいといった暗黙のルールがある場合は、事前に対策を講じる必要があります。
組織側に潜む根本的な要因
中途採用者の早期離職は、本人側の不満だけでなく、企業の採用・定着体制に潜む構造的な問題も大きく影響しています。
ここでは、組織側に潜む根本的な要因を3つ紹介します。
面接で現場の実情や業務内容を十分に伝えられていない
面接時に実際の仕事内容や職場環境を正確に伝えないと、入社後に「聞いていた話と違う」とギャップが生まれやすくなります。
特に、面接を企業側が採用者を選ぶ場とだけ捉えている場合、一方的な質問形式になりやすく、相互理解を深められずギャップが生じるリスクが高まります。
現場の具体的な業務内容や会社のビジョン、労働環境を丁寧に伝えることで、採用候補者との認識のズレを減らしましょう。
入社後のオンボーディング(定着支援)が不十分
新入社員が早く職場に馴染み、力を発揮できるようにするサポート体制が整っていないと、早期離職のリスクが高まります。
特に中途採用の場合は「即戦力採用だからオンボーディングは不要」「馴染めないのは本人の問題」と、誤った認識からサポートが不足しがちです。
経験豊富な中途採用者であっても、会社によって文化や進め方には慣れが必要なため、会社側も十分なフォロー体制を強化しましょう。
評価制度やマネジメント体制が硬直的で柔軟性に欠ける
評価基準が曖昧で透明性がないと、成長やキャリアに不安を感じ、離職につながりやすくなります。
また、上司が多忙で中途採用者のフォローやコミュニケーションが不足すると、孤立感を抱きやすくなります。
定期的なフィードバックや1on1面談を実施し、個々の状況に応じて目標や業務内容を柔軟に調整できる体制が必要です。
評価制度やマネジメント体制を強化することで、中途採用者のモチベーションや定着率を高めることができます。
中途採用者の早期離職が企業に与える悪影響
時間をかけて採用した中途採用者が早期離職した場合、企業にとってどんな悪影響があるのかを解説していきます。
1人あたり700万円以上の損失が発生する
即戦力の中途採用者でも、会社の環境ややり方に慣れて独り立ちするまでには最低でも6ヶ月~1年は必要です。そのため、約1年間は人材育成のための投資期間と考えられます。
ミツカリが全業界の平均値等で調査した結果によると、入社後1年で早期離職してしまった場合に発生する1人あたりの損失額は、中途採用の場合で774万円となります。

内訳として人件費が占める比重が多く、入社後2年目の離職のほうが当然損失額は高くなります。
中途採用者の早期離職による損失額については、以下記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。
>>【関連記事】中途採用者の早期離職によるコストは700万円以上!?損失額の内訳を知ろう
また、自社の離職コストを早急に知りたい方は、無料の『離職コスト算出シミュレーター』をお試しください。

戦力となる人材が育たない
優秀な中途者を採用しても、早期離職が続くと会社の将来を担うリーダーや専門職のスペシャリストが一向に育ちません。
将来の主力人材を育てるためには定着率を高め、早い段階から重要なプロジェクトに参加させて経験や実績を積ませる必要があります。
また、中間層(主に30代)の早期離職が多いと、会社の平均年齢も上昇していき、時代のニーズに沿った柔軟な発想も難しくなります。
その結果、新たな事業やアイデアで競合他社に勝つことや生産性の向上も困難となり、会社の成長が停滞する可能性も高まります。
企業イメージの低下
中途採用者の早期離職が多いと企業イメージも低下し、今後の採用活動にも影響を与えます。
理由としては「早期離職が多い=働きにくい会社 or なにかある会社」と不信感を抱くためです。
特に昨今では、20代に関わらず30代や40代もSNSや口コミサイトから事前に企業の内部情報を収集して、応募の有無や内定受諾を決めます。
40代や50代でコネのある方は、知り合い経由で、企業の内部事情を集める方もいるでしょう。
- 早期離職者が多い
- 人の入れ替わりが激しい
- ハラスメント気質の会社
- 昭和体質または保守的な会社 など
ネガティブな情報はすぐに投稿されるため、今後採用活動を強化しても内定者を獲得するどころか応募者すら来なくなる可能性が高まります。
中途採用者の早期離職を防止する4つの対策
中途採用者の早期離職を防止する対策を4つ紹介します。
採用前にギャップを削減
中途採用者が入社後に感じるギャップを減らすためには、選考の過程(採用前)にできる限りリアルな情報を伝えることが重要です。
具体的には以下の取り組みを行うと良いでしょう。
- 選考前にカジュアル面談の実施
- 面接時に現場のリアルな情報を伝える
- 現場社員との面談、ランチ会の実施
- 評価基準やキャリアパスをまとめた資料の共有
- 会社のビジョン、働き方を資料などで説明 など
面接で一方的に質問するだけでなく、自社の紹介や配属される部署・チームの内情、会社のビジョン、キャリアパスなどを具体的に伝えて、働くイメージをもってもらうこと重要です。
また、オファー面談とは別に現場社員との面談を設けることで、実際の働き方や職場の雰囲気を理解してもらえます。
試用期間中のオンボーディング強化
試用期間中(3ヶ月~6ヶ月)は、職場に馴染み経験を発揮するための重要な期間です。
オンボーディングを強化して、中途採用者が早期に戦力となるようにサポートしましょう。具体的には以下の取り組みが効果的です。
- メンター制度の導入とメンターによるフォロー
- 上司と定期的な1on1
- 小さな目標を設定し達成しやすい業務を計画
- 社内コミュニケーションツールを活用した相談窓口の設置
- 部署・チームの交流会(心理的安全性の確保)など
配属先以外に相談できるメンター制度を導入し、孤立感の解消や相談のハードルを下げることが効果的です。
週1回、上司との1on1を実施して、課題や不安を早期に把握し解消する仕組みも欠かせません。
また、小さな成功体験を積める業務設計を行うことで、本人の自信やモチベーションを高め、早期離職の防止につながります。
評価・裁量の早期付与
中途採用者がモチベーションを維持し成長するためには、早い段階で評価や裁量を与えることが重要です。
具体的には、以下のような取り組みを行うと良いでしょう。
- 評価基準、評価プロセスを社内で共有
- 定期的な目標レビューや面談の実施
- 役割、権限を段階的に付与し権限移譲を促進
- 目標管理制度(MBO)の導入と実施 など
成果に応じた権限委譲を行い、中途入社者が自律的に業務を進められる環境を整えましょう。
さらに、明確な目標設定と評価基準の共有により、努力の方向性が明確になり、本人も安心して業務に取り組めます。
相性マッチングの事前診断
選考時に中途採用者と、上司・チームの価値観やコミュニケーションスタイルを分析し、相性を可視化することも重要です。
相性を可視化する取り組みにより、人間関係や社風のミスマッチを減らすことにつながります。
具体的には以下の取り組みを行うと良いでしょう。
- 性格適性検査やパーソナリティ診断の導入
- 価値観やコミュニケーションスタイルの可視化
- チームビルディングやコミュニケーションの研修実施
- オファー面談などで上司やチームメンバーとの相性確認面談を実施 など
性格適性検査や面談を活用して相性を事前に把握する取り組みは、定着率改善に有効な手法です。
中途採用者のミスマッチを減らす『ミツカリ適性検査』

弊社『ミツカリ』では、適性検査とエンゲージメントサーベイを用いて応募者や既存社員ひとりひとりの性格や相性を可視化し、採用・配属・マネジメント・従業員のエンゲージメントをカバーするHRTechサービスを提供しています。
ここでは、中途採用のミスマッチ防止に活用できる『ミツカリ適性検査』の機能を3つピックアップして紹介します。
相性の可視化で入社前にミスマッチを防止
採用候補者と既存の従業員に約10分の適性検査を受検いただくことで、個々の性格・価値観などをベースに、会社や部署・チーム、先輩方との相性をスコアで可視化できます。

「社風にマッチする人材か」「配属先の部署・チームと良好な人間関係を築けそうか」などを、入社前に確認することができます。
また、社内にいるどの従業員に性格が近いかなども類似度機能で可視化できるため、入社後の働き方をイメージすることも可能です。

面接で確認すべき内容をアドバイス
『ミツカリ適性検査』で計測した採用候補者の性格や価値観をベースに、入社後に起きそうなミスマッチ項目を洗い出し、面接で「どのような質問をすれば、ミスマッチを減らせるのか」などをアドバイスした面接シートも確認できます。

上司や配属先・チームと比較することで、どんな部分でミスマッチが起きそうかなどを事前に把握できます。また、採用候補者の回答をもとに採用の可否を判断することができます。
他にも採用はもちろん、配属やマネジメントに活用できる機能も用意していますので、気になる方は以下のサービスページのリンクをご覧ください。
エンゲージメント調査で入社後の状態を可視化
ミツカリ適性検査と併用できる『ミツカリエンゲージメント』を活用することで、中途採用者の状態を数値で可視化できます。
7問約1分程度で、離職の要因となる「報酬」「人間関係」「職務適性(業務の負荷、やりがいなど)」「コミュニケーション」「従業員エンゲージメント」の5つの要素を数値化できます。

1ヶ月に1度など定期的に実施することで、前回より低下した項目の分析が可能です。
各項目のいずれかが大幅に低下すると、アラートが表示されるため、離職を決断される前に、1on1や人事側でフォローなど防止対策を実施できます。
他にも、「離職防止に活用できる機能」や「詳細に従業員の性格・価値観・適職を分析できる機能」を多数搭載しています。無料トライアルも実施中ですので、この機会にぜひご検討ください。
中途採用の早期離職は社内体制の強化が重要
中途採用者の早期離職は、「人間関係」「労働環境」「評価制度」など本人が感じる不満だけでなく、企業側の採用・定着体制に潜む構造的な課題も大きく影響しています。
採用前のギャップを減らすための情報共有や体験入社の提供、入社後の手厚いオンボーディング、早期の評価・裁量付与、そして採用時点での相性マッチングの実施が、離職防止には不可欠です。
これらの施策を進めることで、中途採用者の早期離職を防ぎ、安定した人材定着を実現できます。
『ミツカリ』では、採用候補者と社員の価値観やコミュニケーションスタイルを分析できる適性検査を提供しています。
人間関係や社風の相性を数値で可視化できるだけでなく、コミュニケーションの取り方をアドバイスしたシートも用意していますので、採用時の相性マッチングや入社後のマネジメントに役立てることが可能です。
中途採用者の早期離職を防ぎ、組織力を高めたい企業様はぜひ『ミツカリ適性検査』をご検討ください。

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
5,000社が導入し、326,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。
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