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【人事必読】性格適性検査で「達成意欲」をどう見る?ハイパフォーマー採用に欠かせない評価基準

「なぜ期待した人材が成果を出せないのか」という問いへの答えは、スキルの問題ではなく「達成意欲」の見極め不足にある場合がほとんどです。達成意欲とは単なるやる気ではなく、自ら高い目標を設定し、創意工夫を重ねながら達成するという自律的なプロセスそのものを指します。

性格適性検査で数値化される「達成意欲」のスコアは、ハイパフォーマーを採用し組織を自走させるための強力な羅針盤です。スコアの高低をどう読み解き、面接とどう組み合わせ、マネジメントへどう活かすかを知るだけで、採用と育成の質は劇的に向上します。

本記事では、心理学者マクレランドの欲求理論から、適性検査スコアの読み解き方、STAR面接手法、ハイパフォーマーが抱える落とし穴、そして組織全体の達成意欲を底上げする戦術まで、人事担当者・経営者が即実践できる知識を体系的に解説します。

  • 達成意欲の心理学的定義と、VUCA時代に必須の「自走型人材」の正体
  • 適性検査スコアの正しい読み解き方と、職種別の適性マッピング
  • STAR手法を使った面接での達成意欲の真偽確認テクニック
  • ハイパフォーマーのバーンアウト・独走リスクを防ぐマネジメント術

目次

  1. 達成意欲とは何か? なぜ今、ビジネスで重要視されるのか
    1. 心理学から見る「達成意欲」の正体
    2. 「指示待ち」を打破する、自走型社員の共通点
    3. VUCA時代における「達成意欲」の価値
  2. 性格適性検査における「達成意欲」のスコアをどう読み解くか
    1. 高スコア群の特徴とポテンシャル
    2. 低スコア群は「使えない」のか?(誤解されやすい真実)
    3. 【比較表】スコア別・活躍が期待できる職種と役割
    4. 「達成意欲」と「ストレス耐性」の組み合わせ
  3. 性格適性検査と面接を組み合わせた「見極め」の極意
    1. 達成意欲を深掘りする「STAR手法」の活用
    2. 「成功への希望」と「失敗への不安」を見極める
    3. 検査結果と面接での「違和感」をスルーしない
  4. 達成意欲が高い人材の「落とし穴」とマネジメントの注意点
    1. バーンアウト(燃え尽き症候群)の深刻なリスク
    2. チームワークの軽視と「独走」による組織崩壊
    3. マイクロマネジメントによる「意欲の霧散」
    4. 【チェックリスト】達成意欲の高い部下を潰さないための5か条
  5. 組織全体の達成意欲を底上げする3つのアプローチ
    1. 目標設定の最適化(SMARTの法則と自己決定感)
    2. 即時的なフィードバック文化の構築
    3. 性格適性検査データを活用した「戦略的配属」
  6. データに基づいた「人選」が企業の命運を分ける
    1. 「達成意欲」は組織に伝播する
    2. 「勘」を「確信」に変える適性検査の力
    3. 今、人事担当者・経営者が踏み出すべき一歩
    4. ミツカリ適性検査 – サービス概要資料
離職防止のための施策は整っていますか?

【人事必見】性格適性検査で「達成意欲」を見極める技術|ハイパフォーマー採用と組織強化の鍵

「優秀だと思って採用したが、期待したほど成果が出ない」「指示待ち人間ばかりで、自ら目標を追いかける社員が少ない」

経営者や人事担当者の方が抱えるこれらの悩みは、実は候補者の「スキル」ではなく「達成意欲」の見極め不足に起因していることが少なくありません。

本記事では、心理学的な定義から、性格適性検査における「達成意欲」のスコアの読み解き方、そして入社後のマネジメントへの活用法まで、徹底的に解説します。自社のパフォーマンスを最大化させるためのバイブルとしてご活用ください。

達成意欲とは何か? なぜ今、ビジネスで重要視されるのか

採用現場や人事評価の場で頻繁に耳にする「達成意欲」という言葉。しかし、その真の意味を「単なるやる気」や「負けず嫌い」と混同して捉えてしまうと、本来評価すべきハイパフォーマーを見逃すリスクがあります。

まずは、心理学的な定義と、現代のビジネスシーンでなぜこの資質が「最強のエンジン」と呼ばれるのかを紐解いていきましょう。

心理学から見る「達成意欲」の正体

「達成意欲(Achievement Motivation)」という概念を体系化したのは、ハーバード大学の心理学者デイビッド・マクレランドです。彼は、人間が行動を起こす動機(モチベーション)には、主に3つの欲求が関わっていると提唱しました。

それが「マクレランドの欲求理論」です。

  • 達成欲求
    • 困難な課題を自分の力で解決し、目標を完遂することに喜びを感じる欲求
  • 権力欲求
    • 他者に影響を与え、コントロールしたい、あるいは社会的な地位を得たいという欲求
  • 親和欲求
    • 他者と良好な人間関係を築き、嫌われたくない、仲良くしたいという欲求

ここで重要なのは、ビジネスにおける達成意欲とは、単に「勝ちたい」という感情ではなく、「自ら設定した高い基準(目標)を、創意工夫しながらクリアしていく自律的なプロセスそのもの」を指すという点です。

「指示待ち」を打破する、自走型社員の共通点

なぜ、多くの経営者が「達成意欲の高い人材」を求めるのでしょうか。それは、達成意欲が高い人材こそが、現代ビジネスにおいて最も希少な「自走型」の特性を備えているからです。

達成意欲が強い人には、以下の3つの行動特性が見られます。

「中程度の難易度」を好む(計算されたリスクテイク)

彼らは、誰でもできる簡単な仕事には興味を示しません。一方で、成功確率が極めて低い無謀な賭けも避けます。

「自分の努力と工夫次第で、50〜70%の確率で達成できる」という絶妙なハードルを好み、それを乗り越えることに最大の快感を覚えます。

結果に対する「個人的責任」を求める

運任せの結果ではなく、「自分が介在したからこそ出せた結果」を重視します。そのため、仕事の進め方を自分でコントロールできる環境で、驚異的なパフォーマンスを発揮します。

具体的な「フィードバック」を渇望する

「よく頑張ったね」という抽象的な褒め言葉よりも、「今回の成約率は何%だったか」「目標に対してあと何件足りないか」という、数値化された客観的な事実を求めます。このフィードバックを糧に、次の戦略を練るのが彼らのルーティンです。

VUCA時代における「達成意欲」の価値

現代は、正解のない「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)」の時代です。

これまでは、会社が決めたマニュアル通りに動く「規律性」や「勤勉性」が高い人材がいれば、組織は安定して成長できました。しかし、変化の激しい今日では、上司の指示を待っていては市場のスピードに取り残されてしまいます。

  • 従来の優秀さ
    • 与えられた目標を、既存のルールで正確にこなす力
  • これからの優秀さ
    • 変化を恐れず、自ら「達成すべき新しい目標」を定義し、ルートを切り拓く力

この「ルートを切り拓く力」の源泉こそが、性格適性検査で測ることができる達成意欲のスコアに他なりません。

「うちの社員は主体性がない」「自分で考えて動ける人間が欲しい」という悩みの多くは、個人の能力(スキル)の問題ではなく、この根源的な「達成意欲」を持つ人材を適切に採用・配置できていないことに起因しているのです。

性格適性検査における「達成意欲」のスコアをどう読み解くか

多くの性格適性検査(ミツカリ、SPI、玉手箱など)では、その人がどれだけ目標達成に対してエネルギーを注ぐかを「達成意欲」や「達成志向性」といった項目で数値化します。

しかし、その数値を単なる「やる気の強さ」と捉えるのは不十分です。プロの人事や経営者が注目すべきは、「その意欲がどの方向に、どのような質で発揮されるか」という点です。

高スコア群の特徴とポテンシャル

達成意欲のスコアが高い(偏差値や標準得点が高い)候補者は、いわば「高性能なエンジン」を積んだスポーツカーのような存在です。

目標を「自分事」化するスピードが速い

彼らは会社から与えられたノルマやKPIを、単なる「義務」としてではなく、クリアすべき「ゲーム」や「自己成長の指標」として捉え直す能力に長けています。

上司から細かく指示されなくても、目標から逆算して「今、何をすべきか」を自問自答する習慣がついています。

困難を「成長の機会」と脳内変換する

一般的な社員が「面倒だ」「無理だ」と避けるような高い壁に直面したとき、達成意欲が高い人は「これを乗り越えれば、また一段階レベルアップできる」というポジティブな変換(リフレーミング)を行います。

ハイパフォーマーへの最短距離

特に新規開拓営業、スタートアップの立ち上げ、短期間でのターンアラウンド(事業再生)など、「結果がすべて」というシビアな環境において、この高スコアは最強の武器となります。

低スコア群は「使えない」のか?(誤解されやすい真実)

ここが最も重要なポイントです。達成意欲のスコアが平均より低いからといって、その候補者が「やる気がない」「成果を出せない」と判断するのは早計です。

達成意欲が低い人は、逆に言えば「刺激や変化がなくても、同じ質で淡々と業務を遂行できる」という強み(レジリエンスや忍耐力)を持っている場合があります。

バックオフィス・事務職

劇的な変化よりも、正確性と安定した運用が求められる現場では、高すぎる達成意欲は逆に「飽き」や「不満」に繋がります。

品質管理・守りのポジション

「もっと上を」という野心よりも、「一歩も引かない」という維持の力が組織を守ります。

スコアが低い人の「モチベーションの源泉」

彼らのエンジンは「達成感」ではなく、「誰かの役に立ちたい(親和欲求)」や「組織の秩序を守りたい(規律性)」にあることが多いのです。適性検査では、他の項目(社会性、協調性など)と併せて読み解くことで、彼らが輝く場所が見えてきます。

【比較表】スコア別・活躍が期待できる職種と役割

一目で判断できるよう、達成意欲のスコアに応じた適性を表にまとめました。

達成意欲のスコア期待される行動特性向いている主な職種マネジメントのポイント
高い (High)自律的に動く、難題に挑む、数値にこだわる新規営業、コンサル、起業家、PM高い目標を与え、裁量を持たせる
標準 (Middle)バランス重視、着実に目標を追う既存営業、企画、一般的な管理職進捗を承認し、達成の喜びを共有する
低い (Low)安定を好む、ルーチンに強い、調和を重んじる事務、経理、品質管理、カスタマーサポート安心感を与え、組織貢献を評価する

「達成意欲」と「ストレス耐性」の組み合わせ

性格適性検査を読む際、達成意欲とセットで必ずチェックすべきなのが「ストレス耐性(精神的タフネス)」です。

  • 達成意欲【高】× ストレス耐性【高】
    • いわゆる「鉄人」。どんなに叩かれても目標を追うリーダー候補。
  • 達成意欲【高】× ストレス耐性【低】
    • 要注意タイプ。目標への執着が強すぎるあまり、未達成時のショックが大きく、バーンアウト(燃え尽き)しやすい傾向があります。
  • 達成意欲【低】× ストレス耐性【高】
    • 「柳に風」。周囲に流されず、自分のペースで着実に、長く貢献してくれる安定型です。

このように、項目を「点」ではなく「面」で捉えることで、採用後のミスマッチは最小限に抑えることができます。

性格適性検査と面接を組み合わせた「見極め」の極意

性格適性検査で「達成意欲が高い」と出た候補者が、必ずしも入社後に成果を上げるとは限りません。なぜなら、その意欲が「過去の特定の環境下でのみ発揮されたもの」であったり、あるいは「単なる自己評価の高さ」に過ぎないケースがあるからです。

データ(適性検査)と対話(面接)を掛け合わせることで、採用の解像度を極限まで高める方法を紹介します。

達成意欲を深掘りする「STAR手法」の活用

達成意欲の真偽を確かめる最も有効な手段が、行動面接のフレームワークである「STAR手法」です。適性検査で達成意欲が高スコアの候補者に対し、以下の順序で質問を投げかけます。

S:Situation(状況)

「これまでのキャリアで、最も『高い壁』だと感じた目標は何ですか?」

提示された目標が、客観的に見てどの程度の難易度かを確認します。

T:Task(課題)

「その目標は誰が決めたものですか? なぜそれを達成しようと思ったのですか?」

「自ら設定した(自己決定感)」があるかを探ります。他律的な目標のみを追ってきた人は、指示待ちになるリスクがあります。

A:Action(行動)

「達成のために、具体的にどのような創意工夫をしましたか? 障壁があったとき、どう乗り越えましたか?」

「創意工夫」の具体性を見ます。達成意欲が高い人は、成功へのルートを複数検討し、泥臭い努力や緻密な計算を行っているはずです。

R:Result(結果)

「最終的な成果はどうでしたか? また、その経験は今のあなたにどう活きていますか?」

数字や客観的評価で答えられるか。また、達成後にすぐ「次の目標」を見据えているかも重要です。

「成功への希望」と「失敗への不安」を見極める

心理学者のジョン・アトキンソンは、達成意欲を「成功への希望(成功動機)」と「失敗への不安(回避動機)」の2つの側面から説明しました。

性格適性検査の結果と照らし合わせながら、面接でどちらの傾向が強いかを判断することが、配属先のミスマッチを防ぐ鍵となります。

成功への希望が勝るタイプ

  • 特徴
    • 成功した時の報酬や称賛に目が向き、困難な課題ほど燃える
  • 面接でのサイン
    • 「新しいことに挑戦したい」「一番になりたい」というポジティブな表現が多い
  • 向いている職種
    • 新規事業立ち上げ、インセンティブ重視の営業職

失敗への不安(回避)が勝るタイプ

  • 特徴
    • 「失敗して評価を下げたくない」という思いが行動原理。一見、慎重で着実。
  • 面接でのサイン
    • 「ミスをしないように徹底した」「リスクを洗い出した」など、守りのエピソードが強い。
  • 向いている職種
    • 契約管理、法務、生産管理、厳密な納期管理が必要な業務。

適性検査で「達成意欲が高い」と出ているのに、面接でのエピソードが「失敗しないための工夫」に終始している場合、その人は「攻めの達成」ではなく「守りの完遂」に長けた人材かもしれません。自社が今求めているのは「攻め」か「守り」かを明確にしておきましょう。

検査結果と面接での「違和感」をスルーしない

適性検査の結果と面接での印象が食い違う場合、そこには重要なヒントが隠されています。

検査では【達成意欲・高】だが、面接では【大人しい・控えめ】

彼は「内に秘めた闘志」タイプかもしれません。あるいは、個人プレーでは強いが、組織の中で意見を通すのが苦手な可能性があります。

検査では【達成意欲・低】だが、面接では【野心的・意欲的】

面接用に「作り込んだ自分」を見せているか、あるいは「達成意欲」を「権力欲(人より上に立ちたい)」と勘違いしている可能性があります。

このような「ギャップ」がある候補者には、「適性検査の結果では〇〇という傾向が出ていますが、ご自身ではどう思われますか?」と直接フィードバックしてみるのも一案です。その際の自己客観視能力や受容性も、重要な評価指標となります。

達成意欲が高い人材の「落とし穴」とマネジメントの注意点

優秀なハイパフォーマーを採用したはずが、「周囲と衝突してチームがバラバラになった」「期待していたのに急に燃え尽きて辞めてしまった」といったトラブルに直面したことはありませんか?

達成意欲が高い人材を「ただ自由に走らせる」だけでは不十分です。彼らのエネルギーを組織のプラスに転換するために、経営者や人事が知っておくべき3つのリスクと対策を解説します。

バーンアウト(燃え尽き症候群)の深刻なリスク

達成意欲が高い人は、常に「もっと高く、もっと遠くへ」というプレッシャーを自分自身にかけ続けています。この自己規律の強さが、皮肉にも自らを追い詰める原因となります。

「休むこと」への罪悪感

目標を追いかけていない時間に不安を感じ、プライベートを犠牲にしてでも仕事に没頭する傾向があります。

限界の自覚がない

本来ならブレーキをかけるべき疲労サインを、持ち前の精神力で無視してしまいます。

マネージャーは、彼らの「アウトプット」だけでなく「稼働状況」を定量的にウォッチする必要があります。「休むこともプロの仕事(次の目標達成のための準備)」という価値観を共有し、強制的なリフレッシュを促す仕組み(有給取得の推奨や残業時間の厳格な管理)が不可欠です。

チームワークの軽視と「独走」による組織崩壊

達成意欲が高い人材にとって、最も大きなストレスは「自分のスピードが他者によって妨げられること」です。これが極端に現れると、チームの調和を乱す要因になります。

「自分でやった方が早い」の罠

他者に仕事を任せることや、後輩を育成する時間を「効率が悪い」と切り捨ててしまいがちです。

周囲へのプレッシャー

自分と同じ高い基準を他者にも強要し、「なぜこれくらいできないのか」という無言の圧力を周囲に与えてしまいます。

評価指標(KPI)に、「個人の数字」だけでなく「チームへの貢献度」や「ナレッジの共有数」を組み込みましょう。「チーム全体の成果を最大化させることが、あなたの次の高いハードルである」と定義し直すことで、彼らの達成意欲を組織開発へと向けさせることができます。

マイクロマネジメントによる「意欲の霧散」

達成意欲が高い人の最大の報酬は、金銭以上に「自分の力で成し遂げた」という自己決定感です。そのため、上司による過度な干渉は致命的なモチベーション低下を招きます。

プロセスへの口出し

「やり方」を細かく指定されると、彼らにとって仕事は単なる作業に成り下がり、達成した時の喜びが半減します。

「ゴールは固定し、プロセスは開放する」マネジメントに徹してください。「何(What)」を達成すべきかは明確に合意しますが、「どう(How)」やるかは本人に委ねます。性格適性検査の結果をもとに「この人は自分で考えたいタイプだ」と分かっているなら、信頼して任せる勇気が上司には求められます。

【チェックリスト】達成意欲の高い部下を潰さないための5か条

マネジメントの現場で、以下のポイントを定期的にチェックしてください。

項目内容
1. 適切な難易度その目標は、本人にとって「簡単すぎず、絶望的すぎない」か?
2. 自己決定権戦略や手法の選択を、本人の裁量に任せているか?
3. 公平な評価成果に対して、データや事実に基づいたフィードバックを行っているか?
4. メンタルケア達成後に「虚脱感」に襲われていないか、休息は取れているか?
5. 役割の転換プレーヤーとしての達成だけでなく、組織への貢献を評価しているか?

組織全体の達成意欲を底上げする3つのアプローチ

「達成意欲の高い人材を採用したはずなのに、入社後に勢いがなくなった」「組織全体に『現状維持』の空気が漂っている」……。こうした課題の多くは、個人の能力不足ではなく、「達成意欲を阻害する環境」に原因があります。

性格適性検査で可視化したデータを活かし、組織全体のエネルギーを底上げするための3つの戦術を導入しましょう。

目標設定の最適化(SMARTの法則と自己決定感)

達成意欲を刺激する最大のガソリンは「目標」そのものです。しかし、単に高い数字を押し付けるだけでは逆効果。心理学的に「やる気」が最も高まる目標設定にはルールがあります。

SMARTの法則を徹底する

目標は、以下の5つの要素を満たしている必要があります。

  • Specific(具体的)
    • 誰が読んでも達成基準が明確か。
  • Measurable(測定可能)
    • 数値で進捗が測れるか。
  • Achievable(達成可能)
    • 努力すれば届く「120%の目標」か。
  • Relevant(関連性)
    • 本人のキャリアや会社のビジョンと繋がっているか。
  • Time-bound(期限がある)
    • 「いつか」ではなく「いつまで」かが明確か。

「自己決定感」がドーパミンを出す

さらに重要なのが、目標を「自分で決めた」と感じさせるプロセスです。人は他人から与えられた目標(外発的動機)よりも、自ら掲げた目標(内発的動機)に対して、数倍のエネルギーを発揮します。

適性検査で達成意欲が高いと出ている社員には、「君ならこの状況で、どんな目標を立てる?」と問いかけ、本人の口から目標を語らせるコーチング的アプローチが極めて有効です。

即時的なフィードバック文化の構築

達成意欲の高い人は、自分の行動が「正解」に向かっているかどうかを常に確認したがります。四半期に一度の評価面談を待っていては、彼らの熱量は冷めてしまいます。

マイクロフィードバックの推奨

チャットツール(SlackやTeamsなど)を活用し、「今の資料、視点が鋭かった」「あの商談の切り返しは完璧だった」といった小さな称賛をリアルタイムで送ります。

「失敗」に対するフィードバック

達成意欲が高い人材は失敗を嫌いますが、それを「責める」のではなく「次の達成のためのデータ」として扱う文化を醸成してください。「なぜ失敗したか」ではなく「次はどうすれば達成できるか」に焦点を当てることで、彼らの意欲は途切れることなく持続します。

性格適性検査データを活用した「戦略的配属」

組織全体の達成意欲をマネジメントするには、個々の特性に応じた「適材適所」が欠かせません。性格適性検査のスコアをベースに、以下のようなチーム編成を検討します。

ハイパフォーマー・ユニットの結成

新規事業や高難度のプロジェクトには、意図的に「達成意欲・高」のメンバーを集めます。お互いが刺激し合い、相乗効果で目標水準が引き上がっていく「ポジティブな競い合い」が発生します。

メンター・メンティーの相性補完

「達成意欲・高」の上司に、「達成意欲・低(安定志向)」の部下をつける際は注意が必要です。上司が自分の基準を押し付けすぎて、部下が潰れてしまうリスクがあるからです。この場合は、間に「共感性」や「調和性」の高いリーダーを挟むことで、組織のクッション機能を強化します。

職種別の「期待値」の明確化

すべての部署に「達成意欲・最高」の人材を配備する必要はありません。

部署・役割求められる達成意欲の質活かされる適性検査の指標
営業・新規開発限界を突破する「突破力」達成意欲(高)、活動性(高)
CS・バックオフィス期待に応え続ける「完遂力」達成意欲(中)、責任感(高)
品質管理・保守基準を死守する「維持力」達成意欲(標準)、慎重性(高)

データに基づいた「人選」が企業の命運を分ける

ここまで、性格適性検査における「達成意欲」の重要性から、その見極め方、さらには採用後のマネジメント術までを詳しく解説してきました。

かつての人事は「経験と勘」が支配する世界でした。しかし、労働人口が減少し、一人ひとりの生産性が企業の存続を左右する現代において、もはや「なんとなく優秀そうだ」という直感に頼る採用は、あまりにも大きなリスクを伴います。

「達成意欲」は組織に伝播する

達成意欲の高い人材が一人加わることは、単にその人の数字が積み上がる以上の価値があります。

彼らが困難な壁を突破する姿、目標に対してストイックに向き合う姿勢は、周囲のメンバーに「ポジティブな刺激」を与えます。

  • 「あそこまで徹底してやるのか」という基準の引き上げ
  • 「自分たちもやればできる」という自己効力感の醸成
  • 停滞していたプロジェクトに流れる新しい風

このように、達成意欲を見極めることは、個人の採用だけでなく「組織文化のアップデート」に直結しているのです。

「勘」を「確信」に変える適性検査の力

もちろん、性格適性検査は万能ではありません。しかし、面接という「非日常の場」で見せる候補者の姿だけでは分からない、根源的な行動特性(OS)を可視化できる唯一のツールです。

  • 面接
    • 過去の実績(アプリケーション)を確認する場
  • 適性検査
    • その実績を生み出した思考のクセや意欲の源泉(OS)を確認する場

この両輪を回すことで初めて、「採用のミスマッチ」という、企業にとっても候補者にとっても不幸な事態を最小限に抑えることが可能になります。

今、人事担当者・経営者が踏み出すべき一歩

この記事を読み終えた皆さまに、ぜひ実践していただきたいアクションが3つあります。

自社の「ハイパフォーマー」を分析する

まずは、社内で成果を出している社員に性格適性検査を受けてもらいましょう。彼らの「達成意欲」はどの程度のスコアなのか? 共通する特性は何か? 自社独自の「勝利の方程式」を可視化することがスタート地点です。

募集要項(ジョブディスクリプション)を見直す

「とにかくやる気のある人」という曖昧な表現をやめ、「高い目標を自ら設定し、数値を追うことに喜びを感じる人」など、達成意欲の質を具体的に言語化しましょう。

「不採用の基準」を明確にする

達成意欲が低くても活躍できる部署はあるか? 逆に、この部署には達成意欲が必須か? 検査結果をもとに、科学的な「足切りライン」や「推奨ライン」を設けることで、選考のスピードと精度は劇的に向上します。

「人」は最大の資産であり、同時に最大の不確定要素でもあります。

達成意欲という「見えないエンジン」を性格適性検査で正しく測定し、適切な場所に配置する。このシンプルな積み重ねこそが、競合他社に負けない「強い組織」を作るための最短ルートです。

データに基づいた科学的な人事を武器に、貴社のさらなる成長を加速させていきましょう。

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