性格や価値観分析をピープルアナリティクスに活かす方法とは?

目次

性格は人材を表す最も基本的な要素である

ピープルアナリティクスやHRテクノロジーという方法は、人事業務、人材開発や経営といった人的資本に関わる場面で、テクノロジーで業務を最適化する方法です。人に関するデータは年齢、性別など様々な種類がありますが、ピープルアナリティクスやHRテクノロジーにおいて最もポピュラーな要素は「性格」といった心理的要素です。

ピープルアナリティクスに興味はあるけど、そもそも本当に必要なのか、導入する価値はあるのか悩んでいる、具体的に何から始めたら良いのかわからない...そんな人事担当者や経営者の為に、本記事では、ピープルアナリティクスで最もポピュラーな手法である性格分析の例を紹介します。

性格分析は、主に心理学の分野で理論の発展がなされてきました。近年のテクノロジーの進化と心理学と産業の連携により、性格分析がより一般に浸透し、働き方や企業の生産性に繋がるような試みがなされてきました。本記事では、性格研究の中でも最も長い歴史があるビッグファイブ理論を例に、性格分析が組織でどう貢献できるのかを紹介します。

性格とは、個人に内在化し行動を特徴付ける性質のこと

自分の周りを見渡してみると、きっと背の高い人も入れば、髪の色が違う人もいるはずです。同じ両親から生まれた兄弟でも同一の人間が生まれてこないように、たとえ同じ環境を共有している人間の中でも、性質の違いは必ず存在します。

性質の違いというのは、身体的な性質の他にも、考え方の特徴やモノについての感じ方、趣味嗜好などの心理的な部分や行動上の性質も含まれます。そうした個人個人の違いを説明するために、いち早く取り組んだのが心理学です。

1890年代から、心理学は個人個人の違いを説明するための方法として、性格研究に取り組んできました。長年の発展を経た現代心理学によると、学派によって微妙な定義の違いはあるものの、性格とは学術的に次のような要素を含むと定義されています。

  • 個人に内在化している
  • ある程度、安定した傾向である
  • 外部環境(物理的・社会的)との関わり方に影響を与える
  • モノに対する感じ方や、何をモチベーションと捉えるかを決定づける

我々人間には、一人一人が異なった考え方の特徴があります。性格という性質を使って、個人間の特徴の違いを説明しようとしたのが、性格研究の第一歩です。

性格の違いを説明するためのビッグ・ファイブ理論

人それぞれに千差万別の特徴があるのは事実ですが、全ての人間についての特徴を細かく記述していくことは、科学的な観点から見るとあまり有用ではありません。世の中の現象をなるべく単純化し、一般化して描写するのが科学の一つの目標です。そのような観点から、心理学では人の性格を大まかに(けれど単純化し過ぎずない程度に)形式的に分類する最も良い方法は何なのか、議論されてきました。

行き着いた一つの答えが、ビッグ・ファイブ理論です。名前の通り、ビッグファイブ理論は「人の性格は5つに分類でき、5つの要素から構成されている」という理論です。ビッグファイブ理論では、以下の5つの要素を使って人の特徴を説明します。

  • 開放性(Openness to new experience) ー 知的好奇心や、新しい経験への興味の高さを表す程度。
  • 勤勉性 (Contiensiousness) ー 物事にまじめに、きっちりと取り組めるかどうかの程度。
  • 外向性(Extraversion) ー どれだけ社交的か、活発であるかの程度。
  • 調和性(Agreeableness) ー 他人とどれだけ協力的で、友好的かを表す程度。
  • 神経症傾向(Neuroticism) ー ストレスに強いか、情緒の安定性を示す程度。

ビッグファイブ理論を使った性格検査では、5つの分類上それぞれの数値を測定し、人の性格を描写します。この方法は人の性格を一つのカテゴリーのみに当てはめる血液型検査のような方法とは異なり、より細かく正確な描写ができます。

今ではビッグ・ファイブ理論によって測られた人のデータは、様々な言語や文化を超えて膨大な量があり、近年ではビッグファイブ理論の普遍性も実証されてきています。ビッグファイブ理論は「たった5つ」という分かりやすい数字と、それぞれの英語の頭文字をとって『OCEAN』とも呼ばれ、凡庸性の高さと分かりやすさを理由に、心理学の分野を超えて様々な領域で活用されてきました。

心理学の諸分野である産業・組織心理学を中心に、ビッグ・ファイブ理論から仕事のパフォーマンスや健康状態などの実際の行動を予測できることを示す実証研究が数多く報告されています。そのような実証研究を経て、性格分析を経営や組織運営に役立てようという流れが一般にも受け入れられてきて、それがのちのピープアナリティクスやHRテクノロジーへの発展に繋がります。

このような背景から、ビッグ・ファイブ理論を初めとする性格分析を用いて業務に役立てるという発想は、学術界を超えた分野からも広く受け入れられ、その実用性からますます支持を得ることになります。

個人の性質の違いを説明する時代からマッチングの時代へ 〜 性格分析の新たな可能性

産業・組織心理学の分野では、性格分析を経営や組織運営に応用する流れがいち早く確立されました。

例えば、ビッグファイブ理論は採用選考や人材開発に活用されています。1990年代頃の研究では、外向性が営業のパフォーマンスを予測することが実証されています。実証研究の裏付けによって、採用側も性格を測定することで、入社後のパフォーマンスをある程度予測できるようになったり、採用や人材開発などに活かせるようになりました。

近年の心理学や経営学の領域では、人と組織のマッチングに着目する、と言う発想が生まれてきました。この発想は、個人の性質を知ることであらゆる状況での行動を予測するという従来の発想とは少し違い、「個人の性質と状況」を2つ合わせて個人の行動を予測する、というダイナミックな発想です。

例えば2018年の実証研究によると「性格と業務内容が求める性格の相性で年収が変わる」ということが分かりました。勤勉性の高い人物は、事務関連の仕事をしていた方が高収入を期待でき、逆に外向性の高い人物であれば、エンターテイメント系の仕事をしていた方が高収入が期待できます。組織の風土と性格の相性が離職率を予測する、などの研究も報告されています。

テクノロジーの登場と進化によって、働き方や業務が複雑化しています。性格と仕事の相性の研究は「あらゆる仕事に向いている・向いていない性格」など一概には存在しないことをが示唆しています。

多種多様な仕事が存在する今の時代であるからこそ、自分に合った職業を探し出すことは重要であるにも関わらず、非常に難しい事でもあります。性格分析の発展によって、単にあらゆる仕事に向いているのかどうかの性格を見極めようとしていた時代から「どのような仕事に向いている性格なのか」を見極める時代になってきていると言えます。

ピープルアナリティクスやHRテクノロジーへの応用

性格分析は、現代の新たな技術、ピープルアナリティクスやHRテクノロジーと、どのような結びつきがあるのでしょうか?労務行政研究所の2018年の発表によると、HRテクノロジーには次の4つの機能が期待できると言います.

  • 自動化
  • いつでも・どこでも化
  • 見える化
  • モデル化

ウェブ媒体を使えば、性格検査は「自動化」できます。一昔前までは紙の質問紙を配って記入していた性格分析も、今ではウェブ上で完結できるようになりました。個人の性格の測定部分だけでなく、個人と組織のマッチングの部分においても「自動化」が可能になります。この自動化こそが、まさにテクノロジーの一番の恩恵とも言えるでしょう。

ウェブ調査を使えば、性格検査は「いつでも、どこでも化」できます。この機能こそが、性格研究の爆発的な普及の手助けになり、今では全世界の人々の性格を簡単に測定できるようになったとも言えます。経営や組織運営の場面で言えば、性格検査をウェブ型にすることで、以前に比べて回答者への負担とデータ集めの負担が圧倒的に少なくなりました。

データサイエンスやテクノロジーの普及によって、性格分析や様々な検査の測定結果の「見える化」が容易となりました。テクノロジーで性格検査の実施を自動化するだけでなく、性格分析の結果表示もより分かりやすく回答者に伝えることができます。

複雑なアルゴリズムを使って、性格分析の「モデル化」も可能となります。ビッグ・ファイブ理論では、様々な行動データを結びつける先行研究が既にあるので、モデル化がしやすくなります。「ビッグファイブの性格がOOを予測する」という例を知っていれば、モデル化の検討がしやすくなるでしょう。ビッグファイブ理論のように、どのように性格を捉えれば良いのかが既に議論されているので、そのような知見を活かせばモデル化の効率はずっと高くなります。

性格分析はピープルアナリティクスやHRテクノロジーが得意とする4つの機能と、実は非常に相性が良いのです。よりダイナミックで複雑な分析ができるようになり、個人の特徴と組織や業務の相性を考えた施策が、テクノロジーによってさらに実現しやすくなったとも言えるでしょう。

性格分析とピープルアナリティクス・HRテクノロジーの相性は抜群!

性格とは、人の性質の違いを説明できる要素として主に心理学を中心に研究されてきました。中でも有力なビッグファイブ理論では、性格を5つの構成要素(開放性、勤勉性、外向性、調和性、神経症傾向)からできていると考えます。

近年、ビッグファイブ理論を初めとする性格分析は、心理学の分野を超えて、より一般にもその有用性が認知されてきました。その流れの中でも、特に近年では性格から一般的なパフォーマンスを予測するというよりも、性格と状況(組織の風土や業務内容)との相性から、将来のパフォーマンスを予測しようとする発想が出てきました。

性格分析の応用において、ピープルアナリティクスやHRテクノロジーは強力な手助けになります。テクノロジーは、性格分析を「自動化、いつでも・どこでも化、見える化、モデル化」することができます。性格研究とテクノロジーの融合によって、一見高度に見えるピープルアナリティクスが、ますます幅広い層に受け入れられやすくなっていると言えるでしょう。

mitsucari

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
2,700社が導入し、156,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。

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