ピープルアナリティクスやHRテックとは?目的や意義を再確認しよう

目次

「ピープルアナリティクス」「HRテクノロジー」「HRテック」

流行に敏感な人事・採用担当者や経営者の方ならば、一度は聞いた事があるのではないでしょうか。

「HRテクノロジー」いう技術は、一言で言えば、人材(Human Resource=人事)にまつわるデータをAIなどの技術を使って経営に生かす技術の事です。これらの技術を総称してピープルアナリティクスと呼ばれています。これらの技術は、具体的には一体どういう風に活用されているのでしょうか?そもそも、ピープルアナリティクスを活用した方が良い理由や、解決できる課題はどのようなものがあるのでしょうか?

これらの発想自体がそもそも生まれた背景には、アメリカでの労働市場変化に伴う新しい問題や、新しい技術と分野との融合といった進歩にあります。特にアメリカをはじめとする海外では、毎年HRテック企業への投資額が伸びていたりと、勢いを増しています。 市場規模(日本)

出典元『日本経済新聞』ミック経済研究所、「HRTech クラウド市場の実態と展望 2017 年度版」を発刊  市場規模の推移

出典元『日本経済新聞』ミック経済研究所、「HRTech クラウド市場の実態と展望 2017 年度版」を発刊 

日本ではどうでしょうか?リクルート社の就職白書2019によると、調査した日本企業の中でAIを新卒採用活動に活用している企業はたったの2.3%でした。日本では言葉の認知度は上がっている一方で、実際に導入に踏み切っている企業はまだまだ少ないようです。

新卒採用活動におけるAI導入の有無

出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

今回の記事では「ピープルアナリティクス」「HRテクノロジー」といった技術の意味と、その生まれた背景を解説します。アメリカをはじめとする海外に比べて、HRテクノロジーの導入が遅れている日本でも、実はHRテクノロジーを使えば効率化できる同じような課題が存在します。HRテックやピープルアナリティクスについてより詳しく理解する事で、日本企業での積極的な導入を目指します。

ピープルアナリティクスの定義・領域について

そもそもピープルアナリティクスとは、どのような定義で、どこまでの領域を指すのでしょうか?

Cornerstone社の定義によると、ピープルアナリティクスとは「経営者や従業員が行う採用や経営に関する意思決定を支援するための分析方法」のことを指します。

参考URL『Cornerstone』People Analytics

ピープルアナリティクスの発祥地である米Googleの人事部による定義を借りると、ピープルアナリティクスとは「経営面で確率的な利点を得るために人材マネジメントに統計学と行動科学を体系的に応用すること。」と定義されます。

参考URL『Linkedin』What is People Analytics?

今まで存在した広告などにおけるデータサイエンスの技術と違う点は、解決すべき課題が組織に内在しているという点と、データ分析の対象が「人材」に集中している点です。

人を対象としたデータを扱うので、データサイエンスや統計学だけなく、心理学、経営学、労働経済学、行動科学といった、社会科学から導き出された理論や方法を積極的に応用していくアプローチと言えます。

ピープルアナリティクスが生まれた背景

ピープルアナリティクスが生まれた正確な時期は定かではありませんが、用語自体が使われ始めたのは2007年ごろ、米グーグルの人事部からだと言われています。より一般に浸透していったのは、映画「マネーボール」が公開された2011年ごろだと言われています。

マネーボールは、メジャーリーグの弱小チームのスカウトがデータを駆使して採用に革命をもたらしていくというストーリーで、この映画の題材となったオークランド・アスレチックスは、テクノロジーのメッカであるシリコンバレーの隣町にあります。実話に基づいたストーリーと、社会科学のあらゆる領域が盛んな大学がひしめくシリコンバレーという立地もあり、データサイエンスと社会科学をマネジメントや採用に応用させると言う発想が生まれました。このような理由から、ピープルアナリティクス発祥の地はアメリカのシリコンバレーと言うのは間違いなさそうです。

映画「マネーボール」が世間に与えたメッセージは「採用はデータを使って精度を上げる事ができる」と言う事です。

データサイエンスや統計学の利点は、膨大な情報を素早く整理し、知りたいことに対して客観的な答えを出してくれる点です。マネーボールの題材になったオークランド・アスレチックスは、元来弱いチームで、資金面で不利な状況が続いていました。この状況でもデータを使えば、なるべく少ない予算で効率の良い採用ができます。

採用におけるピープルアナリティクスの主なメリットは、「少ない予算」で「素早い情報処理能力」を使い「正確な」採用判断を促してくれることです。

もともと肌感覚で行っていた野球チームのスカウトにとっては、この発想は衝撃的なものでした。具体的にこの技術を一般企業の人事や採用に、どのように応用する事ができるのでしょうか?

ピープルアナリティクスはどのような問題を解決する事ができるのか?

ピープルアナリティクスが解決できる大きな課題は「どのようにして、限られた予算を人材に投資してより高い成果が得られるか?」の一言に集約できます。

課題をさらに細かく分けてみると、ピープルアナリティクスが解決できるよくある課題は以下のようなものがあります。

  • 人的資本への投資は効率的にできているか?
  • 社員のモチベーションを高めるにはどうしたら良いのか?
  • 同じ成果を確保しながら、採用や人的なコストを抑える方法は?
  • 社員の幸福、コミットメントや生産性を上げるには?
  • 離職率や社員の軋轢に影響している人間関係は?
  • 企業文化や人材要件定義は定まっているか?
  • 採用や人材配置において、好ましくないバイアスは働いていないか?
  • どのように人事部の活動を企業理念と繋げる事ができるか?
  • 投資家や株主に対して、人事面での課題を客観的なデータを使い説得できるか?

ピープルアナリティクスは、これらの課題をデータと社会科学の理論を使って解決していきます。例えば、社会心理学ではモチベーションや感情の研究が盛んです。労働経済学や社会学を使えば、近年の就職市場と自社の需要をマッチさせてより正確な施策が打ち出せるでしょう。

このように、上のような課題を一つでも当てはまるのであれば、ピープルアナリティクスの技術を使って解決を検討してみてはいかがでしょうか?

最新の海外での事例

ピープルアナリティクスを提供するHRテック企業が多く出てきている中で、どのような例があるのでしょうか?

2014年に設立されたアメリカのスタートアップ、ThisWay Global社では、Ai4Jobsというマッチングサービスを開発・提供しています。このサービスは、AIと機械学習を使って、企業が採用したいベストな候補者を、効率的にかつ正確に探し出します。テクノロジーでバイアスを取り除いた形で推薦してくれるので、今まで見逃されていたかもしれない候補者を探す事ができます。この方法により、応募者の中の約38%の割合が見逃されていた事がわかり、実際の採用に繋がったという事例があります。(HRTech Conference 2019@Las Vegasでのレポートより)

転職率も高い米国の市場において、離職率が高い事が悩みの会社にとっては採用は非常にコストのかかる作業です。そのような課題意識も背景にあり、今後もピープルアナリティクスの需要はますます高まる事が期待できます。

日本での解決できる課題は?

日本全国の新卒採用を実施している企業を対象にした、リクルート社の就職白書2019によると、「2019年卒新卒採用における課題」と言う項目で一番回答率が高かった答えは「採用に係るマンパワー」でした。多くの企業では採用は属人的で、それにより採用担当者への負担が大きいことを悩みにしている企業が多いことを示唆しています。 新卒採用における課題

出典元『リクルートキャリア』就職白書2019

採用のコストが高いと感じている人事が多い一方で、先ほど紹介したようにAIを導入している企業は極めて少ないと言えます。ここにこそ、ピープルアナリティクスが活躍できる余地があります。

採用に関する人事の負担を減らすという課題は、まさにHRテクノロジーが得意とする領域です。採用・人事に関する課題自体は海外のそれと共通しているとも言えるので、まさに日本企業でもピープルアナリティクスが活躍できる可能性は大きくあると言えるでしょう。

日本企業でもピープルアナリティクスは活躍できる!

ピープルアナリティクスやHRテクノロジーは、経営に関する課題を人事・採用といった領域から解決していく技術です。もともとはアメリカのシリコンバレーから発祥した技術で、採用・人事の課題を効率的に解決してくれるところが強みです。

日本でも同様の課題を抱える企業が多くあるので、このように生まれた背景や海外の事例を学ぶ事で、導入のきっかけになるのではないでしょうか。

mitsucari

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
2,900社が導入し、169,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。

資料のご請求はコチラから

  1. TOP
  2. ピープルアナリティクスやHRテックとは?目的や意義を再確認しよう